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CDPとMAは共存可能?データ活用で顧客体験を向上させよう

MAとCDPは共存可能?

データを活用したマーケティングを実施するうえで欠かせない、顧客データ基盤であるCDP(カスタマーデータプラットフォーム)と、マーケティング活動を自動化するMA(マーケティングオートメーション)。いずれもデータを活用するプラットフォームですが、組み合わせて活用できているケースは少ないのではないでしょうか。

MA(マーケティングオートメーション)は単体で利用してもマーケティング施策に大きな効果を発揮しますが、CDPと連携することでより活用の幅を広げ、深い顧客理解を得ることができます。


CDPとMAの概要とその違い

改めてになりますがCDPとMAの概要についても触れておきます。
CDPCustomer Data Platform(カスタマーデータプラットフォーム)の略称で、直訳すると「顧客データ基盤」になります。つまり、顧客データを収集し、一括で管理・活用するためのプラットフォームのことです。
MAMarketing Automation(マーケティングオートメーション)の略称で、マーケティング活動を自動化するシステム、もしくはそのツールを指します。

あらかじめ設定した条件(シナリオ)に応じてマーケティング施策を自動で行うためのツールであり、データ管理の基盤であるCDPとは形態も活用の目的も大きく異なるものといえるでしょう。


CDPとMAを併用しない(できない)理由

企業により様々な理由があるかと思いますが、

・導入コストがかかる(→CDP・MAどちらも導入すると費用がかさむ)
・データソースが多くないため、MA単体などで間に合っている

といった理由が多いのではないでしょうか。

特に、導入に際してはシステムのライセンス費用や、開発費用がかかるケースが多く、
導入することによって得られる効果(費用対効果)が明確にならないと、企業として導入に踏み切る判断が難しくなります。


CDPとMAを併用するメリット

コスト面でのデメリットがフォーカスされがちですが、逆に、MAをCDPと連携させることでのメリットは何でしょうか。大きくは2つあります。

メリット1:複数のMA環境でのデータ連携が容易になる
複数のMA環境(もしくはMAを含めた複数の施策を実施するプラットフォーム)で施策を実施している場合連携、元データとMAのデータ連携設計がシステムごとにそれぞれ必要になります。
連携元のデータソースが増えるたびに、環境分のデータ連携設定が必要となり、対応作業は倍々ゲームで増加していきます。CDPにデータ連携を集約することで、複数の環境への連携(環境の追加)への対応工数が大幅に削減できるようになります。

データソースやデータ項目が追加されるたびに、
対応しなければいけない作業は倍々ゲームで増加

cdp_ma_連携2

メリット2:顧客理解のためのデータが増える(=顧客体験を損なうコミュニケーションがへ減らせる)
CDPとMAを組み合わせることで複数のデータソースからのデータを併せて蓄積できるため、施策に使用できるデータが格段に増えます。

これは、より良い顧客体験につなげるためのデータとなるのはもちろんですが、逆に顧客の心が離れてしまうよなコミュニケーションを取ってしまわないためにも重要です。

例えばCDPを介さずにブランドごとに別のMAを使っている場合、他のブランドの商品を購入した顧客に別のブランドから大量の施策メールが届くと、せっかく顧客となった方の企業への印象を残ってしまいます。(購入した翌日にその商品の広告が表示されるよりは幾分マシかもしれませんが)

CDPにデータが集約されていれば、別ブランドでメールを送信した記録を参考にしながら配信の頻度や条件を設定し、最適な頻度での顧客との接点を築くことができます。

データにより顧客解を深め、その理解に基づいた施策を実行することは、顧客にとっても有益な(不快なコミュニケーションを減らせる)コミュニケーションにつながります。

CDPとMAを組み合わせて導入するためのステップ

では、実際にCDPを導入し、MAと組み合わせて活用するまでのステップを紹介していきます。

1.保有するデータの整理
社内にどのような状態のデータがどれだけあるのかを明らかにし、整理して集約します。
いわばデータの棚卸しです。社内で保有していながら、これまで活用されてこなかったデータが見つかることも多々あります。

データの状態はさまざまで、フォーマットが統一されていなかったり、場合によっては紙に記録されていることもあります。それらをすべてCDPに連携して活用できる形にしていきます。

2.データ取得経路の整理
新しく入ってくるデータを継続的にCDPに蓄積できるようにするためには、どこからデータが入ってくるのかを整理する必要があります。ステップ1で整理したデータをどこから取得したものなのかを明らかにし、CDPに蓄積できるよう整えていきます。

その際に、施策で活用していくデータを取得するうな経路も考えてみるとよい。
例えばウェビナーや製品紹介動画からは視聴履歴や視聴者属性のデータを取得できる。把握したい顧客行動やその取得方法を検討することで、よりデータを充実させられるだろう。

3.CDPにデータを集約する
整理した内容を基に、CDPとデータソースを接続しデータを集約します。
社内のデータだけではなく、必要に応じて外部データも格納することで、さらに幅広い施策・分析に活用できるようになります。

集約したデータを基にCDPで顧客セグメントを作り、それをMAに渡して施策を実行するこの段階で、ようやくCDPとMAの連携が行えるようになります。(ようやくスタートライン、活用はここからです。)

4.統合されたデータによるMA活用
CDPと連携することにより、CDPに集約されたデータをMAに連携し、様々な施策を行うことが可能になります。
データを組み合わせることで行える施策の例としては、

・購買履歴や位置情報と連動してスマホに通知を送信する。
・ECサイト上で顧客の好み・行動履歴に応じたおすすめを表示
・天候(予報)によりおすすめの来店予約時間を提示
・リアル店舗とECサイトそれぞれの購買履歴データからセールの案内を送信

など・・・施策の幅は広がります。

例えば、複数のブランドや業態を持っている企業にとっては、ブランドごとにMAなどマーケティングの施策を行う基盤を導入しているケースも少なくありません。
それまではブランドや商品ごとだった顧客とのお付き合いから、企業と顧客のお付き合いへと進化させることが、CDPとMAを連携することでの一番の活用効果となります。

CDPとMAによる顧客体験の提供

5.施策のフィードバックをCDPに集約
CDPに集約したデータをMAに連携するだけでなく、MAなど施策を実施したシステムから、その結果データのフィードバックをCDPに集約することで、横串での結果分析が可能となり、PDCAの精度がより高くなります。

まとめ

データの数だけ活用の可能性は広がる
CDPとMAを組み合わせることで、データ活用の幅は大きく広がります。CDP単体はメール配信といった施策の実行機能を保有していませんが、ほかのツールと連携することで可能になります。
また、CDPはデータ連携機能によって、MAを含めたさまざまなツールのデータを集約することが可能です。多種多様で豊富なデータを分析することで、顧客への理解をより深められます。

CDPとMAの連携は、メンテナンスの工数削減だけでなく一貫した顧客体験にもつながります。施策のフィードバックも活用してPDCAを加速すれば、より顧客にフィットした体験の提供が可能となるのです。

社内には、まだまだ顧客理解と施策実行に使えるデータが眠っている可能性があります。MAでの施策を検討している方も、既にMAを単体で使っている方も、CDPとの連携による幅広いデータ活用を検討しみてはいかがでしょうか。

※本稿は、PLAZMA by TRSURE DATAにて配信した
「CDPとMA連携のメリットとは? データ活用で実現する一貫した顧客体験の提供」
の内容に大幅に加筆修正を行ったものです。