データチームが売上貢献の為にやっていること~テレビ東京コミュニケーションズのデータ活用事例~

株式会社テレビ東京コミュニケーションズ 様

テレビの視聴時間が年々減ってきている中、見逃し配信サービスなどインターネット媒体での番組視聴は好調です。見逃し配信サービス「ネットもテレ東」を運営する株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(以下、TXCOM)は、サービスから取得した視聴者データをプライベートDMPに集約して蓄積し、データの活用を図っています。

今回、同社メディア事業開発本部の今田智仁さまと芹澤舞耶さまに、「データチームが売上貢献の為にやっていること。テレビ東京の事例を公開」と題してデータ活用の取り組みをお話しいただきました。

<話し手>
今田 智仁さま
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ
メディア事業開発本部
データ・UXデザイン部シニア・マネージャー

芹澤 舞耶さま
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ
メディア事業開発本部
データ・UXデザイン部

<聞き手>
株式会社Legoliss
データマーケティング事業部 データアナリスト
音嶋 健斗

テレビ東京グループのデジタル担当、TXCOM

TXCOMは認定放送持株会社「テレビ東京ホールディングス」の100%子会社で、テレビ東京グループ全体のデジタル戦略を担っています。

今回は、TXCOMが運営するテレビ番組の見逃し配信サービス「ネットもテレ東」でのデータ活用例をメインにご紹介します。

「ネットもテレ東」は、PC・スマホ・タブレットやFireTVなどを経由したテレビデバイスから視聴できる広告付きの動画配信サービスです。2015年にサービスを開始し、月に140以上の番組を配信。自社サービスだけではなく、TVer、GYAO、ニコニコ動画、YouTube等の他プラットフォームでも動画を配信しています。

視聴者の可処分時間はデジタルへシフトしている

消費者がテレビに費やす週平均時間は年々減少傾向です。一方、この10年でスマートデバイス(スマートフォン+タブレット)に費やす時間が著しく伸びています。スマートデバイスとPCを合わせたデジタル媒体との接触時間は、テレビを超えました。

 

ただテレビ局もこの状況に対して手をこまねいているわけではないです。良質なコンテンツをYouTubeなどのプラットフォームへ提供するとともに、民放5局で立ち上げたTVerや各局独自の動画配信プラットフォームで配信を始めています。

テレビ東京では、誰でも無料で視聴できる見逃し配信サービスとして「ネットもテレ東」や、月額課金サービスの「テレ東BIZ」を展開中です。

今までテレビであれば取得できるデータは限定されていたのが実情です。しかし「ネットもテレ東」をはじめとする動画配信サービスからであれば、様々なデータを取得できます。そこで今田さまたちは、インターネット媒体からデータを取得・集約してプライベートDMP(=CDP)を構築し、視聴者のデータ分析に従事しています。これが今回紹介するTXCOMとLegolissによる取り組みです。

データ活用プロジェクトの5つの取り組み

TXCOMとLegolissによる、データ活用の取り組みの概要を以下に示します。

1.プライベートDMP構築

前述の通り「ネットもテレ東」ではTVerなどの他社プラットフォームにも動画を配信しています。ばらばらに取得されたデータを1カ所に集約し、データ分析やマーケティング施策に利用できる状態にするためにプライベートDMP(=CDP)を構築しました。

2.マーケティングダッシュボード構築

集約したデータは、そのままでは人が見るのに適しません。CDPに集約されたデータを可視化し、社内の人が把握・共有しやすいよう一元表示できるダッシュボードを構築しました。ダッシュボードにはTableauやGoogle データポータルを活用しました。

3.サービス間のユーザー行動を可視化

「ネットもテレ東」以外の自社サービスも含めてユーザーがどのような行動をしているかもデータを取り、可視化しました。

4.外部データを接続

自社で取得したデータと外部メディアから取得したデータを突合し、分析できるようにしました。

5.サービスのグロース活用

CDP内に蓄積したデータを、サービスを成長させるための様々な施策に活用します。これがCDPを構築する一番の目的です。

取り組みは2017年11月に始まり、Legolissはデータ取得の段階から3年以上伴走しています。上図でいうと一番左からです。

両社の役割分担は基本的に、Treasure Data CDPやAmazon Redshift、Tableauなどのツールでデータを抽出・加工して可視化するまでをLegolissがメインで担当し、事業開発や代理店のディレクション、他部署連携などをTXCOMが担当する形になっています。

3年以上の期間を伴走し、今では音嶋氏もテレビ業界の知識やデータのクセに詳しくなってきました。

「依頼した通りのSQLを納品してくれるだけではなく我々が後で分析しやすい形で送ってくれたり、BI ツールで可視化して読みやすくしてくれたり、外注作業というよりはまさにパートナーという形で参画していただいているのは非常に助かります」(今田さま)

売上貢献につながるデータ活用事例

ここからは、 CDPに蓄積したデータの具体的な活用事例を3つご紹介します。

事例1:番組プロファイルシートを作成し営業に活用

CDPには様々なデータが蓄積されています。自社サービスから取得したデータと外部サービスから取得したデータは一意のIDや広告識別子などの識別用データによって突合し、属性などを付与しています。

TXCOMではこれらのデータを元に、配信番組の視聴者がどのような属性を持っているかをプロファイルシートにまとめ、広告営業に活用しています。

たとえばビジネスマンをターゲットにしている広告主に提案する場合、これまでならば経済関連の番組への広告出稿を提案していたかと思います。しかし視聴者のデータをシートにまとめることで、実はバラエティ番組にもビジネスマンの視聴者が多いとわかる場合もあります。

このように視聴者のデータを営業に活用し、これまでとは違った切り口での広告提案が可能になリました。

事例2:インタラクティブ広告によるブランドリフトサーベイ

「ネットもテレ東」内のインストリームで配信される広告は動画広告ということもあり、ダイレクトレスポンス型の刈り取り広告ではなくブランディング広告がメインです。

そのため広告主は、「どのような人に広告が見られたのか」「その結果、どの程度態度変容が起こったのか」を気にする傾向にある。どのような人が見ているかのデータは、前項のプロファイルシートで提供可能です。

態度変容の調査には大きく分けて2つの方法を採用しています。ひとつは調査会社に依頼し、広告接触者と非接触者にアンケートを取る方法だ。調査会社には広告の接触者と同じ条件での非接触者のデータ(コントロール)を抽出するなどの調整を行っています。

もうひとつは、インストリームの動画広告内にアンケートを表示する方法です。アンケートの回答結果はリアルタイムにCDPに落とし込まれます。この方法ならば、態度変容のデータも広告配信と同時に取得できます。

事例3:LTV算出による広告費のアロケーション

これまでできなかったことがデータ活用により可能になった一例が、LTVの算出とそれによる広告費の最適化です。

TXCOMでは見逃し配信サービスの利用者を増やすため、視聴用アプリのインストールを促す広告を実施しています。どのメディアに出稿した広告から流入したかという流入経路データとその後の視聴データを掛け合わせて分析し、インストール後の動画や広告の視聴回数等をLTVとして算出しました。下図はそのイメージです。

広告からのインストール数しか見ることができなければ、単純にCPI(Cost per Install)が低いメディアBに広告費を多く投下する判断します。しかしインストール後のLTVまで見ることで、CPIは高いがLTVも高く元が取れるメディアAにも広告費を投下すべきだと見抜くことができます。

これまで分断されていたデータをCDPに集約することで、複数のデータを掛け合わせて顧客を分析できるようになりました。その結果、正しい判断をすることが可能になった良い例です。

データ基盤となるTreasure Data CDPの使いやすさ

今回紹介しているCDPの構築には、Treasure Data CDPを使用しています。今田さまはTreasure Data CDPの使いやすい点として次の項目を挙げました。

24時間サポート

Treasure Data CDPは24時間体制でチャットサポート(英語)を行っています。深夜の作業中に分からないことが出てきた場合には非常に頼りになります。今田さまも実際に「データ分析ではまってしまって深夜になってしまった」経験があるといいますがその際もサポートを活用して解決しました。

スプレッドシート連携

今田さまはデータ分析の際にBIツールも利用するが、最後はエクセルやスプレッドシートに出力することも多く、CDPとスプレッドシートの連携しやすさは重要なポイントだといいます。
「エクセルでのデータ分析に慣れたマーケターには非常に使いやすい」「エンジニアにとってはもちろん、そこまでエンジニアリングに詳しくないマーケターにとっても非常に使いやすいと思います」(TXCOM 今田さま)との見解です。データを日ごとにスプレッドシートに出力し、シート上にグラフを作って分析するなどの活用をしています。

その他にタグの汎用性やワークフローで簡単に毎日処理を実行できる点などが挙げられました。

音嶋は「インフラ部分の保守運用はトレジャーデータが面倒をみてくれるので、分析やその後の事業開発に集中できるのが魅力」との所感が挙げました。

取り組みを行っているTXCOMとLegoliss両社だけではなく、CDPサービスを提供するトレジャーデータも含めた3社がSlackで連携しており、コミュニケーションはスムーズです。大きいタスクはBacklogを使って管理し、やり取りのログは基本的にデジタル上に残すようにしています。

「コロナ禍でリモートワークが続き、本日音嶋さんにお会いするのは初めてなんですけれども、これまでの1年ほどのやり取りで特に問題になっていることはありません」(TXCOM 芹澤さま)

これらの取り組みにより、最も大きく変わったのは社内の意識だ、と今田さまは語ります。同社の上層部も含め、「データを活用する」という意志が社内全体で統一され始めてきているといいます。

今後は「データの質の向上」や「機械学習」にも取り組む

両社の取り組みは現在も続いている。今後も様々な施策でデータ活用の幅を広げていく予定です。その中から2つをご紹介します。

データの質の向上

以前データの分析中に、深夜の男性ウケするようなバラエティ番組で30代女性の視聴が一番多いという結果が出たことがありました。意外な結果なので分析を進めてみると、実は使用した外部データに30代女性が多く、突合したデータ自体に偏りがあると分かりました。ウェイトバックでデータを補正したところ、20代男性が多いという結果になりました。

このエピソードから分かるのは、データ自体に間違いはなくてもデータの特性や偏りまで考慮しないとミスリードした結果になってしまうということ。データの質を上げると共に、データの読み方の質、つまり分析担当者のスキルも上げなければなりません。

機械学習を用いた属性予測や在庫予測

IDFA(iOS端末の広告識別子)の仕様変更やGoogleによるサードパーティcookieの規制により、データの突合に使用するIDが取得しにくくなってきています。今後は社内のデータと外部データを突合できない状況が発生する可能性があります。

TXCOMではそれに備えて、正解データを基にしてデータを拡張する機械学習にも取り組んでいます。これまでの視聴者データから学習し、番組視聴履歴から視聴者の属性を推定するモデルを構築します。

※標の数値はダミーとなります。

この他に、機械学習による広告在庫の予測モデルの作成にも取り組んでいます。imp保証型の広告販売ではオーバーimpにならないよう抑えて販売せざるを得ないが、広告在庫の予測ができれば実際の在庫に近しい形で販売が可能になります。

これらを実用化するには、機械学習モデルの精度向上が不可欠です。「色々なモデルを試す中で、最適な成果率の高いモデルを作成することができそう」(TXCOM 芹澤さま)。

最後に:デジタルメディアの運営にはデータ活用が必須

テレビ局だけではなく、いわゆるトラディショナルメディアと言われる従来型のメディア企業ではデジタル化が遅れていました。しかし自社が抱えている課題を直視し、変わろうとする企業も出てきています。TXCOMもそのうちの一社です。

「テレビ業界はデジタル業界と比較して、斜陽産業という印象を持たれがちだが、デジタルやマーケティング、データ分析の観点で手をつけられていないことが多いだけで、保有するコンテンツの豊富さ、制作能力の高さなど強力なアセットを持っています。見せ方や改善次第では圧倒的存在感を示すことができるのではないか。メディア企業として今後ますますデータの活用は必須となっていきます」(TXCOM 今田さま)

 

<事例紹介>

和歌山県白浜町 様
1ヶ月で町の混雑状況の可視化を実現!データ活用による地域貢献を見据えた、自治体の取り組み

サッポロビール株式会社 様
サッポロビールがデータドリブンで挑む「顧客理解の取り組みとは?」

ホーユー株式会社 様
マーケティングにおけるデータ活用の大きな支援に

株式会社WOWOWコミュニケーションズ 様
自社でのデータ分析・可視化が実現!新たな施策が可能に

キャノンマーケティングジャパン株式会社 様
データを活用した“一気通貫”のマーケティング施策が実現

 

新役員人事に関するお知らせ

 

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

当社(株式会社Legoliss 代表取締役・酒井克明)は新役員人事を決定し、澤崎真樹が代表取締役副社長に就任したことをお知らせいたします。

今後とも、役員、社員一同、より一層社業のために努力いたす所存でございますので、ご支援ご厚情を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

Legoliss役員紹介はこちら
https://legoliss.co.jp/members/

動画広告向けソリューション「ZEFR」サイトリニューアルのお知らせ

【サイトリニューアルのお知らせ】

動画広告向けソリューション「ZEFR」のサイトをリニューアルしましたので、お知らせいたします。

お取り組みをご一緒させていただいている株式会社オプト様のインタビューも公開させていただきました。

今後も内容のさらなる充実を図り、情報提供を行ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

ZEFR
https://www.zefr.jp/

【8月26日開催:オンラインイベント】YouTube広告の成果を向上させるZEFRの効果とは

【オンラインイベントのお知らせ】

<概要>
今年4月に日本初上陸した、YouTube向け動画広告ソリューション「ZEFR」。Brand Sutability(ブランド適合性)とContextual Targeting(文脈にあったターゲティング)が注目を集めています。
今回のイベントでは、4月に本格ローンチしてからのご利用傾向やYoutube広告の改善ポイントなどの効果まで、具体的な内容をご紹介します。

【開催概要】
日時:8月26日(木) 13:00-13:40
会場:オンライン​(zoomウェビナー)
参加:無料​(事前登録制)

【プログラム】
13:00〜13:05 − オープニングトーク
13:05〜13:35 − ZEFRについて(利用傾向、改善ポイントなどの効果)
13:35〜13:40 − Q & A

【登壇者】
<Speaker>

吉田三璃 
株式会社Legoliss プロダクトソリューション事業部 アカウントマネージャー

新卒で大手国内DSPの会社に入社し、営業として様々な総合/専業代理店のメインクライアントを担当。チームリーダーや、営業の傍らでグローバルも含めた新卒採用を行うなど、幅広い経験を持つ。その後、三井物産株式会社に入社。ZEFRやFoursquare、Tapadをメインで担当し、現在その他プロダクトも含めLegolissで取り扱っている。

吉田沙織
株式会社Legoliss プロダクトソリューション事業部 アカウントマネージャー

新卒で食品商社に入社。商品開発や販売促進業務に従事した後、食品のEC運営会社で営業、人事として活躍。Legolissでは広告代理店、広告主へZEFRを中心としたプロダクトセールスを担当する。

小西未紗
株式会社Legoliss プロダクトソリューション事業部 アカウントマネージャー

新卒でLegolissに入社。プロダクトソリューション事業部配属後は、ZEFRをはじめ、クロスデバイスソリューションTapadなどのプロダクトセールスを担当。

◯お申し込みはこちらから事前登録をお願いいたします。
(Zoomの登録フォームに移行します)


下記より【個人情報の取扱いについて】をご確認の上、Zoomの登録フォームにて同意をお願いいたします。
https://legoliss.co.jp/privacypolicy/

◯イベントに関するお問い合わせはこちらまで
info@legoliss.co.jp

 

1ヶ月で町の混雑状況の可視化を実現!データ活用による地域貢献を見据えた、自治体の取り組み

【導入事例・インタビュー】

和歌山県白浜町様

白浜町では、災害時に使える耐災害ネットワークを構築し、インフラとして維持していくための取り組みの中で、平時のインフラ活用の効果検証を行うためのデータ収集に関する課題を抱えていました。
Leoglissをパートナーとして実証実験に至るまでの経緯や取り組みの効果、そして今後のデータ活用について、取り組みを担当したLegoliss シニアプロジェクトマネージャーの島野繁弘(写真右)が白浜町の総務課企画政策係 主任 鳴尾豪さん(写真左)にお話を伺いました。

震災をきっかけに、耐災害ネットワークの実証実験をスタート

真っ白な砂浜が広がる白良浜に、パンダを間近で見ることができるアドベンチャーワールド、そして日本三古湯に数えられる白浜温泉など、観光地として人気の高い和歌山県白浜町。空港が隣接しておりアクセスが良いため多くの観光客が訪れるほか、「ワーケーション」という言葉が一般的になる前からIT企業の誘致に力を入れており、ITオフィス等の施設整備やワーケーション環境のPRを進め、今では多くのIT企業がオフィスを構えています。

白浜町では東日本大震災を契機に、災害時でも途切れない‟耐災害ネットワーク”の構築に注力し、2015年に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同で「南紀白浜で世界初の耐災害ネットワーク実証実験」を開始しました。耐災害ネットワークとは、災害時に住民や観光客の安否確認を行ったり、避難所情報を提供したりするためのネットワークで、東日本大震災時に情報通信ネットワークに被害や障害が発生したことを受け、各自治体への導入に関心が高まっています。

しかしながら、災害時のみ活躍するネットワークとなると、導入・維持にかかるコストの観点から早急な導入を行うことは難しい状況です。この度の実証実験では、耐災害ネットワークの普及促進を目指し、平時にも活用できるモデルの検証として、観光客やワーケーションで訪れた方などがフリーWi-Fiとして利用できる環境を整えました。現状、耐災害ネットワークの平時利用において、自治体のモデルケースとなるような取り組みは進んでいないため、この実証実験を通して、防災減災と地域振興の両面で有用なモデルが確立できるよう期待されています。

地域振興に活かすためのデータを収集し、町の可視化を実現

2015年に開始した実証実験において、平時のフリーWi-Fiとしての活用の有用性を示すことはできたものの、コスト面に課題がありました。フリーWi-Fiのみの利用であれば、一般的なネットワークを導入する方がコストははるかに安く済むためです。しかし、そうなれば防災減災という当初の目的からは外れてしまいます。そこで、コストに対するパフォーマンスを向上させ、防災減災と地域振興の両面で有用性を発揮するために、平時にもネットワークが自発的に運用される仕組みを作り、フリーWi-Fiとしても使えて、なおかつ地域に有益な付加価値を与える利用方法を検討。地元企業や進出企業、また住民の利活用をより具体化するためのさらなる実証実験として、地域のデータを自動収集し、収集したデータを企業や住民が利活用できるようにするためのプラットフォームの構築に取り組むことにしました。

プラットフォーム構築において、Leoglissが開発されたマルチクラウド対応のカスタマイズ型CDP「kukuLu(ククル)」を採用した最大の理由は、短期間で構築し、データを可視化することが可能な点です。地域の企業や住民にデータを利活用してもらうためには、収集したデータを可視化し、具体的にどのような利活用ができるのかを検討しやすくする必要がありました。この要望に答えてくれたのが「kukuLu」です。
「kukuLu」は容易に構築することができ、さらに短期間でのデータの可視化を実現してくれました。

データを民間活用することで、地域への還元を目指す

実証実験では、町内の人が集まる場所や観光地にカメラを設置し、「どこに、何時に、何人いたか」というデータの可視化を行いました。動画のままではデータ量が大きく、個人情報の問題などもあるため、AIを活用し‟人”を検出して人数を認識し、ミニマイズしたデータを収集し可視化しています。現時点では、この収集したデータに天候気象データのみ関連付けています。あくまで、‟こういうことができるのではないか?”という気づきを与えるための実証実験という位置づけです。

この実証実験での気づきからデータの具体的な活用方法を考えることが、これからの課題です。現在、スマートシティ・スーパーシティ構想に関する様々な取り組みが各地で行われていますが、自治体でインフラを整えて、民間で活用し自走できるようにすることが重要だと考えています。白浜町の住人や訪れる方にとって有益なものを提供できるかを第一に考え、これからも新たな取り組みを行っていきます。

Legolissのサポートで、短期間での構築・可視化が実現

最後に、Legolissの魅力はどこですか?と尋ねてみると…

[word_balloon id="unset" src="/wp-content/uploads/2021/08/shirahama_04-1-300x273.png" size="M" position="L" name_position="under_avatar" radius="true" balloon="talk" balloon_shadow="true" font_color="#222222"]今回、1ヶ月というとても短い期間でプラットフォームを容易に構築することができ、データの可視化を行えたことは、白浜町にとって大きなメリットでした。今後はデータ活用において、‟誰もが等しく使いやすいデータにしなければならない”など、行政ならではの課題が多数出てくると考えています。「kukuLu」の特徴である「データの取り込み・加工の自由度の高さ」を活かし、地域にとって有益なデータ活用が行えるよう、今後もLegolissのサポートに期待しています。[/word_balloon]

 

<事例紹介>

サッポロビール株式会社 様
サッポロビールがデータドリブンで挑む「顧客理解の取り組みとは?」

ホーユー株式会社 様
マーケティングにおけるデータ活用の大きな支援に

株式会社WOWOWコミュニケーションズ 様
自社でのデータ分析・可視化が実現!新たな施策が可能に

キャノンマーケティングジャパン株式会社 様
データを活用した“一気通貫”のマーケティング施策が実現

「PLAZMA 小売&アパレル」に取締役・小林範子が登壇いたします

【オンラインイベント登壇のお知らせ】

PLAZMA 小売&アパレル
〜テクノロジーを活用した省人化と顧客体験向上の最前線〜

取締役/データマーケティング事業部管掌・小林範子が登壇いたします。

オンワードグループにおける戦略事業会社・オンワードパーソナルスタイル様のオーダーメイド事業のCDP活用について、デジタルシフト様と3社でお話しをさせていただきました。
ぜひご視聴ください。

<開催日>
2021/07/06(火) 10:00 〜 23:59
2021/07/07(水) 0:00 〜 23:59
2021/07/08(木) 0:00 〜 22:00

お申込はこちらから
※申込期限:2021/07/08(木) 11:00

ケーススタディで学ぶ「失敗しないCDPデータ活用」 ~よくある失敗例と回避方法~

データ基盤としてCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を導入し、顧客データの統合に取り組む企業が増えています。一方で、これから取り組む企業は、自社でもCDPがスムーズに構築できるのか、不安なこともあるのではないでしょうか。

これまでCDPによるデータ活用に取り組んだ企業は、どんなところでつまずいたのか、また、どうすればそれを防げたのか。ケーススタディで学ぶことで多くの失敗は事前に回避できます。

データマーケティングを主軸にデータ活用のコンサル、CDP/データ基盤の構築、データ分析等のサービスを提供している中で、多く見てきたCDP構築の際によくある失敗とその回避方法についてご紹介します。

■CDPとは何か? 基礎知識
■一般的なCDP構築の流れ
■CDP構築に失敗しないためには?~よくある失敗とその対策~
■CDP構築で失敗しないために重要なのは「構築を始める前」
■スモールスタート可能なCDPサービス「kukuLu」
■おわりに:適切な対策でリスクは大幅に軽減できる

 

CDPとは何か? 基礎知識

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、企業が取り扱う顧客に関するデータを統合し、一括管理するプラットフォームです。

企業がさまざまな場所に分散して保有しているデータや、外部各所から仕入れたデータを集め、CDPに取り込みます。集めたデータをCDPで統合、集計・整形し、BIツール、MAツール、レコメンドツールなど各種ツールに連携することでマーケティング施策に活用できます。

BIツールやMAツール内に簡易CDPのようにデータを蓄積できるものもありますが、それ以外のツールも併用している場合、都度データを同期させる必要が出てきてしまいます。集計もツールごとに行う必要が生まれ、結果として各ツールにデータが分散してしまいます。

つまり将来的な展開も考慮すると、施策実行ツールの一歩手前でデータを統合するCDPを導入し、そこから各ツールにデータを連携する方が効率的であり、その後の施策の幅も広がると言えます。

一般的なCDP構築の流れ

CDP構築の流れを8ステップに分けてご紹介します。

1.要件定義

まずは、要件定義でインとアウト、すなわち、取込データと出力データの形式を定義するのが重要です。

CDPに取り込むデータがどのようなシステムからどのような形式で入ってくるのか(取込データ)、どのようなツールに対してどのような形式のデータを渡したいのか(出力データ)を決め、DBを構築します。今後誰がCDPを運用するのかという権限設定もここで決めておくと後がスムーズになります。

 

2.基本設計

CDPは基本的に「データの取込 → 集計 → 出力データをツールに連携」というデイリーバッチ(日次処理)で動かしていくことになります。その流れを決めるのが基本設計です。ここまでが設計フェーズとなります。

 

3.データ取込

設計が完了し、ここから実装フェーズに入ります。本番データを実際にDBに入れ、データの中身を見ながら仕様書と合っているかを確認する作業です。使用するデータは過去データでも最新のマスターテーブルでも構いません。

サンプルデータや仕様書と実データの仕様が違っていることもよくあるので、早いタイミングで本番データをチェックしておくのが重要なポイントです。

 

4.前処理

データの形式を整え、扱いやすいきれいな状態にしていく処理です。データクレンジングとも呼ばれます。

 

5.集計処理

最終的に出力したいデータを作るための集計ロジックを設計し、テストと調整をくり返しながらロジックを固めていきます。

 

6.データ出力

集計ロジックが出来上がったら、連携先のツールやシステムに対して出力データを渡すテストを行い、出力先で確認します。

 

7.総合テスト・リリース

全体のテストを行い、リリースします。

 

8.運用・保守

リリースが完了したら、実際の運用が始まります。Legolissではスキルトランスファー(ノウハウの引継ぎ)や障害対応、データ分析のサポートも行っています。

 

このような一通りのCDP構築の流れには、短くても6~7カ月は期間を見ておきます。同時に、CDPからデータを連携するツール側の準備も必要となります。

 

CDP構築に失敗しないためには?~よくある失敗とその対策~

ここからはCDP構築時に実際にあった失敗談と、同様の失敗を防ぐにはどうしたらよいかを5つのパターンに分けて紹介します。

いずれも構築スケジュールやリリース後の運用に影響しかねない失敗ですが、対策方法を知り適切な対応をすることで防ぐことができます。必要なのは、事前のちょっとした確認や手配です。

 

よくある失敗1:インターフェイス定義書や検証用データがなかなか用意されない

CDP構築の流れの最初のステップ「要件定義」を進めるには、取り込むデータのインターフェイス定義書や検証用のデータが必要です。構築開始時にこれらが用意されていないと構築を始めることすらできず、スケジュール遅延の原因になります。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDP構築プロジェクトの開始前、つまり検討段階のうちに、準備すべきものやそれを誰が準備するかのタスクを明確にしておきましょう。それにかかる工数や予算も考えて計画に組み込んでおくとよいです。

特に大手企業になればなるほど、システムを管理するベンダーが複数入ることもあり構造が複雑になります。各種ドキュメントをどこが管理しているのかを予め把握し、手配しておくのが重要です。

 

よくある失敗2:取込んだデータが仕様書と全然ちがった

実はよくあるトラブルです。取込設計や集計ロジックの設計の段階でこれが発覚すると、設計がやり直しになってしまいます。

具体例としては「仕様書ではNot null(必ずデータが入っている)となっているのにnullのデータがある」「取り込みエラーになる値が入っている」「紐づけのキーとなるカラムのはずなのに紐づかないデータがある」などがあります。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

仕様書と実データは違うものだという前提で、しっかり事前にチェックをすることが非常に重要となります。データ処理の設計に入る前までに実データを入手し、チェックしてから設計に入るべきです。

 

よくある失敗3:個人情報の取り扱いルールを決めていなかった

CDPの中に個人情報を入れて良いか否かは企業のポリシーに従うところになります。ポリシーの内容や取込の可否について事前確認を怠ると、確認作業のために途中でプロジェクトが止まってしまう場合があります。その結果、スケジュールが遅延します。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDPの構築開始前に、セキュリティ部門と相談しながら個人情報取り扱いのルールを決めておきます。取り込みNGの場合でもCDP側での対処の方法は色々あるので、どの処理を行うかも決めておくと後々の進行がスムーズです。

 

よくある失敗4:データを統合したが、施策に活用されていない

これ以降は、CDPを構築後に運用に入ってからよくある失敗です。

データをどう活用していくか見えていないままプロジェクトを進め、CDPを構築しただけで息切れしてしまうパターンは多いです。CDPはデータを統合することだけが目的ではないです。統合したデータをどうマーケティングに活用するかが肝であり、力を発揮できるところです。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDP構築を検討する段階で、少なくとも向こう3年間ほどの運用に関して

・どのようなマーケティング施策のために構築するのか
・誰(どの部門)が何のツールを使ってどのように施策を行うのか
・それにかかるコスト、工数

を明確にし、計画を立てておくべきです。

 

よくある失敗5:運用担当者が辞めてしまって仕様が分からない

運用開始から時が経ち、当初の担当者が異動したり辞めてしまったりする場合もよくあります。その後取込データや集計ロジックに変更や追加が発生した際、どこをどう修正すればよいかわからず「どうなっているのかわからないので助けてください」と相談が持ち込まれることもよくあります。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDP構築の際にしっかりと運用ルールを決め、各種の仕様書を作成しておけば属人化を防ぐことができます。あとは担当者が変わってもこのドキュメントをきちんと引き継いでいきます。

作成する仕様書の例:

・データ取込→取込データ定義書、ワークフロー仕様書
・データ集計→データマート定義書、集計設計書、ワークフロー仕様書

 

CDP構築で失敗しないために重要なのは「構築を始める前」

ここまでの失敗談を踏まえると、CDP構築で失敗しないために重要なフェーズは「CDP構築を始める前」です。

構築プロジェクトが始まる前、プロジェクト検討フェーズのうちに上記のポイントをしっかりと考え決めておくことで、これらのよくある失敗を未然に防ぐことができます。これからCDPの構築を検討する皆さまには是非とも参考にしていただきたいです。

スモールスタート可能なCDPサービス「kukuLu」

数多くのCDP構築・運用のサポートをしてきたLegolissは、その経験を活かして作った自社のCDPサービスも提供しています。それが「kukuLu(ククル)」です。

スモールスタート可能な価格帯でありながら、データ戦略の実践に必要な機能とサポートを一通り備えています。「CDPを活用できるかわからないが、試しに使ってみたい」「全社ではなく、一部の部署の一部の施策から少しずつ始めてみたい」という企業には特におすすめです。

 

おわりに:適切な対策でリスクは大幅に軽減できる

CDP構築で失敗しないためには、構築を始める前の検討段階が非常に大事だ。逆に言えば、検討段階でしっかり要件を決めておけば失敗のリスクを大幅に軽減できます。

自社がどのようにデータ活用を進めていきたいのか慎重に見極めながら、CDP構築に取り組んでいただきたいです。

 

ExchangeWire Japanに「ZEFR」についてのインタビュー記事が掲載されました。

【メディア掲載のお知らせ】

YouTube動画広告ソリューション『ZEFR』について、ExchangeWire Japan[エクスチェンジ・ワイヤー・ジャパン]に掲載いただきました。

YouTube動画広告の効果をあげるソリューション「ZEFR(ゼファー)」の特徴や広告主様や広告代理店様にとってのメリットなどについて、お話ししています。

ぜひご一読ください。

<記事タイトル>
YouTubeに出稿する全ての広告主へ-ZEFRが目指す、動画広告運用の価値向上[インタビュー]
https://www.exchangewire.jp/2021/06/30/interview-zefr/

 

DIGIDAY[日本版]に取締役・中嶋賢の「ZEFR」についてのインタビュー記事が掲載されました。

【メディア掲載のお知らせ】

DIGIDAY[日本版]に取締役・中嶋賢と三井物産の杉山悠介氏とのインタビューが掲載されました。

YouTube広告の今後とYouTube広告向けソリューション「ZEFR(ゼファー」の可能性について、お話ししています。

ぜひご一読ください。

「日経MJ」に掲載されました

【メディア掲載のお知らせ】

「日経MJ」2021(令和3)年6月9日号1面にて、YouTube動画広告ソリューション『ZEFR』について、2面でCDPのお取り組みについて掲載されました。

また、日経新聞電子版でも掲載されました。

<記事タイトル>
「文脈」で広告配信先探し 脱クッキーで脚光
コンテクスチュアルターゲティング広がる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC215Y00R20C21A5000000/



【ZEFR】
https://www.zefr.jp/

「ZEFR」に関するお問い合わせはこちらまで
zefr@legoliss.co.jp