【先着3社限定50%OFF!】株式会社Legoliss「CDP環境 健康診断サービス」を新たに提供開始

CDP環境健康診断

国内トップクラスのCDP導入実績(※注)をもとに、内部構造や活用状況を最短1.5ヶ月で診断。

株式会社Legoliss(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:澤崎真樹、以下Legoliss)は、企業のCustomer Data Platform(CDP)環境を詳細に分析し、その効率性と効果性を高めるための診断サービス「CDP環境 健康診断サービス」の提供を開始いたしました。

当サービスは、CDP環境の状況を詳細に分析。データの統合、顧客インサイトの獲得、キャンペーンの効果的な連携など、多岐にわたる側面での改善機会を特定します。これにより、企業がより戦略的かつ効果的にCDPを活用するための具体的な改善プランを提示します。

柔軟性・拡張性が高いCDPだからこそ、その内部構造は日々の運用を経て複雑化していく傾向にあります。LegolissはCDP内部構造の定期的な分析と棚卸しを通じて、企業がCDPの潜在能力を最大限に引き出し、持続可能な成長を実現するためのサポートを提供します。

このようなお悩みを解決

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企業が自身の顧客データを理解し、戦略的に活用することは現代ビジネスにおいて重要な鍵となります。本サービスは、この重要なプロセスをサポートし、顧客企業のビジネス成果の最大化を支援いたします。

プラン価格

プラン価格

本サービスの詳細については、https://legoliss.co.jp/solution/cdphealthcheck/ をご覧ください。こちらのサイトからサービス詳細資料を無料でダウンロードいただけます。

※注:Treasure Partner Award 2年連続受賞(2018-2019)

年内先着3社限定!50%OFFキャンペーン


サービスのリリースを記念して、先着3社限定でキャンペーンを実施いたします。

CDP環境健康診断50%OFFCP

対象期間
2023年11月28日~12月27日
※応募数の上限を超えた場合、期間内に予告なくキャンペーンを終了する可能性があります。

キャンペーン内容
本サービスのご利用料金を50%割引でご利用いただけます.

対象
上記キャンペーン期間中にお申込みをいただき、下記条件を満たした企業様
・2023年12月27日までにお問い合わせいただき、本お申込みをいただくこと
・先着3社まで
・ご利用事例として公表させていただけること

お申込み・お問い合わせ方法
こちらのフォームよりご連絡ください。

ユナイテッドアローズ社が目指す、次なるCDP活用

ユナイテッドアローズ様とのCDP活用のお取り組みについて、お話しをさせていただきました。
ぜひご覧ください。

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UNITED ARROWSをはじめとする複数のストアブランドを展開し、衣類や雑貨の企画販売を手掛ける株式会社ユナイテッドアローズ。

2009年9月にECサイトのサービスを開始し、店舗会員とECサイト会員の統合・ブランドサイトとECサイトの統合を進め、自社におけるECサイトの売上シェアが拡大しているそうです。

本セッションでは、データ活用に関して同社が直面してきた課題と、その対処方法をご紹介いただきました。
また内製化とアウトソースのどちらを選択するのが良いのか、それぞれのメリットについての整理も必見です。今回ともにお話しをさせていただいたのは、同社に伴走してデータ活用に取り組んだ株式会社Legolissです。

スーツも接客も個人にぴったりフィットしたものを ― オンワードパーソナルスタイルが目指す「オーダーメイドの民主化」

株式会社オンワードパーソナルスタイル 様

「一人ひとりにフィットした上質な顧客体験」は、ブランドの重要な価値のひとつです。オーダーメイドスーツをメイン商材とする株式会社オンワードパーソナルスタイル(以下、OPS社)ではデータを活用して、接客からアフターフォローまでよりパーソナライズされた顧客体験を提供するためにTreasure Data CDPを導入しました。

同社DX部の大井綾子さまと金屋雅一さま、およびプロジェクトの設計や進行管理を務めた株式会社デジタルシフト(以下、デジタルシフト社)の木戸大祐さまに「オンワード・オーダーメイド事業における顧客中心のデータ活用の仕組み化」と題してCDP導入プロジェクトの詳細をお話しいただきました。聞き手は、同社に伴走してデータ活用に取り組ませていただいたLegolissの小林範子が務めました。

<話し手>
大井 綾子さま
株式会社オンワードパーソナルスタイル
DX部 ゼネラルマネージャー

金屋 雅一さま
株式会社オンワードパーソナルスタイル
DX部 エキスパート

木戸 大祐さま
株式会社デジタルシフト
CXデザイン部 プロジェクトマネージャー

<聞き手>
株式会社Legoliss
取締役/データマーケティング事業部 事業部長
小林 範子

パーソナライズされたより良い顧客体験を提供するために

OPS社は、株式会社オンワードホールディングスの100%による事業子会社です。「オーダーメイドの民主化」をミッションに掲げ、2017年に新ブランド「KASHIYAMA」をスタート。スーツやシューズのオーダーメイドをメイン事業としています。独自のサプライチェーン構築による納期短縮と適正価格の実現が特徴で、これまでのオーダーメイドでは納品まで1カ月かかっていたところ、最短1週間で提供しています。

今回Treasure Data CDPを導入した目的は「顧客中心の事業活動強化」すなわち、「カスタマーサクセス 」にあります。目まぐるしい市場環境の変化や技術の進歩の渦中で生き残るには、顧客に対するブランドの提供価値を高めなくてはなりません。具体的には、オフラインでは接客の品質向上、オンラインでは情報発信の高度化およびパーソナライズ化、すなわち「より一人ひとりにフィットした上質な顧客体験」を提供する必要があります。

OPS社が実現を目指す顧客体験のイメージは以下の図の通りです。カスタマージャーニーの全ての段階で、データを活用してより良い顧客体験を提供する、その根幹にTreasure Data CDPがあります。

予約時や採寸時の接客品質の向上は、ブランド・サービスへの期待感醸成につながります。来店後アンケートや商品到着までの間のアフターフォローの質を高めることで、顧客のわくわく感を維持すると同時に不安や不満の芽を摘むことができます。さらにメンテナンスの案内といったパーソナライズされた情報を適切なタイミングで提供することで、購入後も顧客との接点を持ち続けることが可能になります。

この仕組みを実現するため、Treasure Data CDPにすべての顧客データを集約し、各種ツールを通してさまざまな場面で活用できるようにするのが今回のプロジェクトです。プロジェクトの設計や進行管理、CRMコンサルティングとしてデジタルシフト社が、Treasure Data CDPのインプリメントとデータ活用の運用支援でLegolissが参加しています。

プロジェクトで解決すべき3つの課題

プロジェクト開始前、OPS社は大きく分けて3つの課題を抱えていました。「データ管理上の課題」「データ活用上の課題」「情報発信上の課題」だ。プロジェクトではこれら全ての解決を目指します。

データ管理上の課題

店頭受注、EC、会員、会計など全てのシステムが個別に存在しており、且つシステム間にデータ連携や情報共有の仕組みがありませんでした。いわゆる「サイロ化」しており、データ活用が難しい状態でした。

データ活用上の課題

店頭での接客時に取得した顧客データは、各スタイルガイド(販売員)が紙のカルテで管理していました。これは顧客対応や接客スキルの属人化をまねいていました。さらに顧客管理はExcelで行っているなど、カルテと顧客管理が連動していませんでした。

情報発信上の課題

メールでの情報発信はしていたものの、顧客全員に同じタイミングで同じ内容を発信していました。顧客データを分析して最適なタイミングや内容を見極める、パーソナライズの仕組みがなかったことが原因でした。

CDP導入プロジェクト実施の流れ

プロジェクトは2段階に分けて行われていました。ステップ1ではTreasure Data CDPにデータを一元化し、サイロ化を解消します。次にステップ2でデジタル顧客カルテやMA等のツールを導入し、接客や情報発信をパーソナライズします。これにより、前項で挙げた3つの課題を解決していくというものです。

  • ステップ1:サイロ化の解消(管理上の課題を解決)
  • ステップ2:データを活用したパーソナライズの実施(活用上・情報発信上課題を解決)

 

ステップ1の前に

デジタルシフト社の木戸氏は、プロジェクト実施の前に現状把握から始めました。まずKASHIYAMAがスタートしてから現在までのデータを分析し、顧客についてさまざまな角度から確認していきました。それを踏まえた上で、ブランドとしてどのような価値を顧客に提供するのか、つまりプロジェクトの軸を定めました。

プロジェクトの目的は顧客により良い価値や体験を提供することです。定めた軸に基づき、理想を実現するために顧客との関係をどのように作っていくのかをプロジェクトチーム内で考え、各ステップの実行に進みました。

 

ステップ1:データの一元化

オーダーメイド商材を取り扱うため、生地や採寸データ、利用オプションなど、データの種類も量も多くなります。スーツ、シャツ、シューズと品物ごとにシステムが異なり、リアル店舗/ECのチャネルでもデータが分かれていました。手書きのデータもあ理ました。この大量のデータを統合して活用できる状態にするためには、まず各システムのどこにどのデータがあるのかを把握しなくてはなりません。

そこでTreasure Data CDPのインプリメントに入る前の段階からLegolissも参加し、状況把握や仕様設計を行いました。各所でサイロ化したデータを照らし合わせ、OPS社・デジタルシフト社・Legoliss社の3社が密にやり取りをしながら、「どことどこのデータが一致するのか」「どことどこを繋げたら、高精度なデータとして活用できるようになるのか」といった議論を重ねて、データの整理と仕様設計を進めました。

デジタルシフト社の木戸氏は「地道なプロセスだが、一番大事なところ」だと振り返ります。ここで正確なデータの地図を描いておくことが、今後のデータ活用におけるキーポイントです。こうして綿密な設計の基、Treasure Data CDPにデータを一元化することができました。

 

ステップ2:一元化したデータを活用する

Treasure Data CDPに蓄積したデータのアウトプット先として今回のプロジェクトで対応するのは、スタイルガイドが接客時に使用する「デジタル顧客カルテ」と、パーソナライズされた情報発信を行うための「MAツール」です。

また、店舗の売上げや個人の成績を評価するための「BIツール」を用いたデータの可視化も先行して進んでおり、この対応も合わせて行われました。これらの3つのツールにTreasure Data CDPからデータを連携し、活用します。

データ連携のためには、それぞれのツールに対応するデータマートをTreasure Data CDP内で構築する必要があります。データマートとは、目的に応じて部分的に抽出したデータです。ここでもステップ1に引き続き、デジタルシフト社とともにLegolissが大きな役割を果たし、もはやOPS社よりもOPS社のデータに詳しい程、となりました。

データマートが3種類であっても抽出元のデータは共通です。処理を共通化したり、逆に個別にすべきところは分けたり、長期的な運用の継続も考慮して設計しました。Legolissのデータエンジニアが中心となり、OPS社、デジタルシフト社両者に相談をしながら意見をすり合わせて作り上げました。

「システムごとにマスタをどう使っていくのか、保守性を考えた上でどう統合するのがベストなのかについて、(Legolissさんに)リードしていただけたので、我々としてもかなり進めやすかった。」(デジタルシフト社 木戸氏)

こうして構築したデータマートを各ツールに流し込むことで、データを活用した顧客体験向上が可能となります。

スケジュールと苦労した点

上記では順に説明しましたが、実際にはステップ12の作業はほぼ同時に実施されました。BIツールでの可視化は先行して進められていたため、顧客カルテとMAへのアウトプット部分の開発とデータマート構築を行いながら、同時にCDPの構築も進めました。

開発を並走させることで期間は短縮できましたが、苦労したこともありました。例えば、前述の各データマートで共通化できる部分/分けるべき部分をはじめ、どういうデータが異常値か、使うべきデータカラムはどれなのか等々、先行して作業しているBIツール側で判明することはたくさんあります。それらはもちろん顧客カルテとMAの仕様やデータマートにも反映させなくてはなりません。工程の前後関係やスケジュールへの影響を踏まえながら管理・調整することに尽力したと木戸氏は振り返ります。

タイトなスケジュールではありましたが、制作物のクオリティについて「帳票周りや顧客カルテは実際スタッフが使うものなので妥協できなかったし、リリース日も強い希望がありました」(OPS 大井氏)という。「木戸さんにもLegolissさん(プロジェクト担当者のテクニカルディレクター/データアナリストの仙田真帆)にも相当苦労して進めてもらいました」と大井氏は話します。より良い顧客体験のためには妥協しないOPSの強い思いにデジタルシフト社とLegoliss社が全力で応えました。

リリース後の今も、システムのブラッシュアップは続けられています。大井氏が実現したいことや変更したい部分を相談すると、Legolissからは既存システムへの影響範囲を踏まえた的確なアドバイスを返します。ステップ1でデータの全体像把握に力をいれたからこそです。

Legolissの小林はプロジェクトを振り返り、「3社が臨機応変に判断をして最善の方法を見つけられた。同じ方向に向かってプロジェクトが進んでいたのはすごく良かったです」と話しました。

Treasure Data CDPを選んだ3つの理由

プロジェクトで導入するCDPとしてTreasure Data CDPが選定された理由は主に3つあります。まず1つ目は、グループ全体での活用を見据えたスケーラビリティです。これには容量やパフォーマンスだけではなく、ガバナンスや管理のしやすさなども含みます。

2つ目はインプットとアウトプットのしやすさです。オンワードグループ全体で見ても独自の既存システムやSaaS系のサービスなど数多くのシステムを利用しており、今後さらに増える可能性もあります。どんなシステムからでもデータをインプットして一元化でき、どんなシステムにもデータをアウトプットして活用できることが重要です。

3つ目はデータ分析のしやすさです。データを扱うのはエンジニアだけとは限らないです。専門家でなくてもとっつきやすいことも重視しました。

以上の観点から、Treasure Data CDPのスケーラビリティや外部コネクタの豊富さ、GUIのわかりやすさなどが評価され選定されました。OPS社だけではなく、オンワードグループ全体でもTreasure Data CDPを活用することが決定しています。

目指す姿を実現するためのパートナーとツール選定

CDPを導入しただけで魔法のようにDXが実現し、事業が成長するわけではありません。目指す姿をしっかり描き、従業員や顧客に定着させながら保守・運用していく必要があります。それができるパートナーとして選ばれたのがデジタルシフト社でした。実際、前項で紹介したように、木戸氏はプロジェクト開始前の現状把握と理想とする姿の明確化に力を入れました。

目指すべき姿が明確になった後は、それに最適なツールや開発会社を選定しました。アウトプット先のツールは類似事例の豊富さやシステム間のつなぎやすさから相性の良いSalesforceに統一しました。そして、Treasure Data CDPの導入実績が豊富なLegolissが開発会社として選ばれました。Salesforceのツールに関する開発・運用はtoBeマーケティング株式会社が担当しています。

運用開始から3カ月弱での成果

2021年3月に実装が完了し、運用開始してから本対談が実施されるまでに3カ月弱が経過しました。まだ成果が出始めた段階ではあるが、ここまでの成果の一部を紹介します。

意思決定速度の飛躍的な改善

Treasure Data CDP導入前はデータがサイロ化していたため、各所からデータを集めてくる必要があり、それに1週間、場合によっては1カ月かかっていました。一元化によりこの待機時間がゼロになりました。

また、データの突合や異常値のクレンジング等、分析の前処理に1日かかっていたが、本プロジェクトによる自動化で前処理時間もほぼゼロになりました。

これらのデータ分析速度向上により、事実確認やデータに基づく意思決定の速度が飛躍的に改善されました。

パーソナライズ配信によるCVR改善

MAを用いてパーソナライズされた情報を発信することで、CVRは約5%の改善が見られました。オーダーメイドスーツは購入周期が長い傾向があるため、今後運用期間が長くなるにつれてますます成果が見えてくると予想されます。

接客時の顧客理解の深化・速度向上

デジタル顧客カルテはタブレット形式で、スタイルガイドの手元で顧客データを参照できます。紙のカルテよりも参照スピードが大きく向上し、顧客を待たせる時間が軽減されました。バックオフィスのPCまでデータを見に行く必要もないです。

顧客理解が深まり、会話やレコメンドする際のヒントが得やすくなったと現場からも好評だといいます。今後も現場の意見を拾い上げながらアップデートしていく予定です。

データ活用の環境が整い、次は「どう活用するか」

CDP導入プロジェクトにより、データを利活用する環境が整いました。その環境を利用して、OPS社は次の段階へ向けて動き出しています。構想は大きく分けて3つです。

1つ目は、顧客状態把握の高度化とKASHIYAMA愛好の深化です。購買・心理の両側面からロイヤルティを計測し、愛されるブランドを目指します。ロイヤルティを高めるプログラムの導入も検討しています。

2つ目は、定性データを活用したパーソナライズの強化です。デジタル顧客カルテで接客を高度化しただけではなく、接客時に得たデータを蓄積して次のコミュニケーションに活かします。

3つ目は、スタイルガイドと顧客のつながり強化です。接客のプロであるスタイルガイドの数はOPS社の強みのひとつです。現在はスタイルガイドと顧客の接点は店舗が中心だが、それ以外でも顧客の好みのチャネルやタイミングでコミュニケーションを取れるような仕組みを整えます。

ミッションに掲げた「オーダーメイドの民主化」の通り、オーダーで作ることの価値や楽しさをより多くの顧客に伝え、最高の顧客体験を提供するためにこれからも邁進していきます。

 

データチームが売上貢献の為にやっていること~テレビ東京コミュニケーションズのデータ活用事例~

株式会社テレビ東京コミュニケーションズ 様

テレビの視聴時間が年々減ってきている中、見逃し配信サービスなどインターネット媒体での番組視聴は好調です。見逃し配信サービス「ネットもテレ東」を運営する株式会社テレビ東京コミュニケーションズ(以下、TXCOM)は、サービスから取得した視聴者データをプライベートDMPに集約して蓄積し、データの活用を図っています。

今回、同社メディア事業開発本部の今田智仁さまと芹澤舞耶さまに、「データチームが売上貢献の為にやっていること。テレビ東京の事例を公開」と題してデータ活用の取り組みをお話しいただきました。

<話し手>
今田 智仁さま
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ
メディア事業開発本部
データ・UXデザイン部シニア・マネージャー

芹澤 舞耶さま
株式会社テレビ東京コミュニケーションズ
メディア事業開発本部
データ・UXデザイン部

<聞き手>
株式会社Legoliss
データマーケティング事業部 データアナリスト
音嶋 健斗

テレビ東京グループのデジタル担当、TXCOM

TXCOMは認定放送持株会社「テレビ東京ホールディングス」の100%子会社で、テレビ東京グループ全体のデジタル戦略を担っています。

今回は、TXCOMが運営するテレビ番組の見逃し配信サービス「ネットもテレ東」でのデータ活用例をメインにご紹介します。

「ネットもテレ東」は、PC・スマホ・タブレットやFireTVなどを経由したテレビデバイスから視聴できる広告付きの動画配信サービスです。2015年にサービスを開始し、月に140以上の番組を配信。自社サービスだけではなく、TVer、GYAO、ニコニコ動画、YouTube等の他プラットフォームでも動画を配信しています。

視聴者の可処分時間はデジタルへシフトしている

消費者がテレビに費やす週平均時間は年々減少傾向です。一方、この10年でスマートデバイス(スマートフォン+タブレット)に費やす時間が著しく伸びています。スマートデバイスとPCを合わせたデジタル媒体との接触時間は、テレビを超えました。

 

ただテレビ局もこの状況に対して手をこまねいているわけではないです。良質なコンテンツをYouTubeなどのプラットフォームへ提供するとともに、民放5局で立ち上げたTVerや各局独自の動画配信プラットフォームで配信を始めています。

テレビ東京では、誰でも無料で視聴できる見逃し配信サービスとして「ネットもテレ東」や、月額課金サービスの「テレ東BIZ」を展開中です。

今までテレビであれば取得できるデータは限定されていたのが実情です。しかし「ネットもテレ東」をはじめとする動画配信サービスからであれば、様々なデータを取得できます。そこで今田さまたちは、インターネット媒体からデータを取得・集約してプライベートDMP(=CDP)を構築し、視聴者のデータ分析に従事しています。これが今回紹介するTXCOMとLegolissによる取り組みです。

データ活用プロジェクトの5つの取り組み

TXCOMとLegolissによる、データ活用の取り組みの概要を以下に示します。

1.プライベートDMP構築

前述の通り「ネットもテレ東」ではTVerなどの他社プラットフォームにも動画を配信しています。ばらばらに取得されたデータを1カ所に集約し、データ分析やマーケティング施策に利用できる状態にするためにプライベートDMP(=CDP)を構築しました。

2.マーケティングダッシュボード構築

集約したデータは、そのままでは人が見るのに適しません。CDPに集約されたデータを可視化し、社内の人が把握・共有しやすいよう一元表示できるダッシュボードを構築しました。ダッシュボードにはTableauやGoogle データポータルを活用しました。

3.サービス間のユーザー行動を可視化

「ネットもテレ東」以外の自社サービスも含めてユーザーがどのような行動をしているかもデータを取り、可視化しました。

4.外部データを接続

自社で取得したデータと外部メディアから取得したデータを突合し、分析できるようにしました。

5.サービスのグロース活用

CDP内に蓄積したデータを、サービスを成長させるための様々な施策に活用します。これがCDPを構築する一番の目的です。

取り組みは2017年11月に始まり、Legolissはデータ取得の段階から3年以上伴走しています。上図でいうと一番左からです。

両社の役割分担は基本的に、Treasure Data CDPやAmazon Redshift、Tableauなどのツールでデータを抽出・加工して可視化するまでをLegolissがメインで担当し、事業開発や代理店のディレクション、他部署連携などをTXCOMが担当する形になっています。

3年以上の期間を伴走し、今では音嶋氏もテレビ業界の知識やデータのクセに詳しくなってきました。

「依頼した通りのSQLを納品してくれるだけではなく我々が後で分析しやすい形で送ってくれたり、BI ツールで可視化して読みやすくしてくれたり、外注作業というよりはまさにパートナーという形で参画していただいているのは非常に助かります」(今田さま)

売上貢献につながるデータ活用事例

ここからは、 CDPに蓄積したデータの具体的な活用事例を3つご紹介します。

事例1:番組プロファイルシートを作成し営業に活用

CDPには様々なデータが蓄積されています。自社サービスから取得したデータと外部サービスから取得したデータは一意のIDや広告識別子などの識別用データによって突合し、属性などを付与しています。

TXCOMではこれらのデータを元に、配信番組の視聴者がどのような属性を持っているかをプロファイルシートにまとめ、広告営業に活用しています。

たとえばビジネスマンをターゲットにしている広告主に提案する場合、これまでならば経済関連の番組への広告出稿を提案していたかと思います。しかし視聴者のデータをシートにまとめることで、実はバラエティ番組にもビジネスマンの視聴者が多いとわかる場合もあります。

このように視聴者のデータを営業に活用し、これまでとは違った切り口での広告提案が可能になリました。

事例2:インタラクティブ広告によるブランドリフトサーベイ

「ネットもテレ東」内のインストリームで配信される広告は動画広告ということもあり、ダイレクトレスポンス型の刈り取り広告ではなくブランディング広告がメインです。

そのため広告主は、「どのような人に広告が見られたのか」「その結果、どの程度態度変容が起こったのか」を気にする傾向にある。どのような人が見ているかのデータは、前項のプロファイルシートで提供可能です。

態度変容の調査には大きく分けて2つの方法を採用しています。ひとつは調査会社に依頼し、広告接触者と非接触者にアンケートを取る方法だ。調査会社には広告の接触者と同じ条件での非接触者のデータ(コントロール)を抽出するなどの調整を行っています。

もうひとつは、インストリームの動画広告内にアンケートを表示する方法です。アンケートの回答結果はリアルタイムにCDPに落とし込まれます。この方法ならば、態度変容のデータも広告配信と同時に取得できます。

事例3:LTV算出による広告費のアロケーション

これまでできなかったことがデータ活用により可能になった一例が、LTVの算出とそれによる広告費の最適化です。

TXCOMでは見逃し配信サービスの利用者を増やすため、視聴用アプリのインストールを促す広告を実施しています。どのメディアに出稿した広告から流入したかという流入経路データとその後の視聴データを掛け合わせて分析し、インストール後の動画や広告の視聴回数等をLTVとして算出しました。下図はそのイメージです。

広告からのインストール数しか見ることができなければ、単純にCPI(Cost per Install)が低いメディアBに広告費を多く投下する判断します。しかしインストール後のLTVまで見ることで、CPIは高いがLTVも高く元が取れるメディアAにも広告費を投下すべきだと見抜くことができます。

これまで分断されていたデータをCDPに集約することで、複数のデータを掛け合わせて顧客を分析できるようになりました。その結果、正しい判断をすることが可能になった良い例です。

データ基盤となるTreasure Data CDPの使いやすさ

今回紹介しているCDPの構築には、Treasure Data CDPを使用しています。今田さまはTreasure Data CDPの使いやすい点として次の項目を挙げました。

24時間サポート

Treasure Data CDPは24時間体制でチャットサポート(英語)を行っています。深夜の作業中に分からないことが出てきた場合には非常に頼りになります。今田さまも実際に「データ分析ではまってしまって深夜になってしまった」経験があるといいますがその際もサポートを活用して解決しました。

スプレッドシート連携

今田さまはデータ分析の際にBIツールも利用するが、最後はエクセルやスプレッドシートに出力することも多く、CDPとスプレッドシートの連携しやすさは重要なポイントだといいます。
「エクセルでのデータ分析に慣れたマーケターには非常に使いやすい」「エンジニアにとってはもちろん、そこまでエンジニアリングに詳しくないマーケターにとっても非常に使いやすいと思います」(TXCOM 今田さま)との見解です。データを日ごとにスプレッドシートに出力し、シート上にグラフを作って分析するなどの活用をしています。

その他にタグの汎用性やワークフローで簡単に毎日処理を実行できる点などが挙げられました。

音嶋は「インフラ部分の保守運用はトレジャーデータが面倒をみてくれるので、分析やその後の事業開発に集中できるのが魅力」との所感が挙げました。

取り組みを行っているTXCOMとLegoliss両社だけではなく、CDPサービスを提供するトレジャーデータも含めた3社がSlackで連携しており、コミュニケーションはスムーズです。大きいタスクはBacklogを使って管理し、やり取りのログは基本的にデジタル上に残すようにしています。

「コロナ禍でリモートワークが続き、本日音嶋さんにお会いするのは初めてなんですけれども、これまでの1年ほどのやり取りで特に問題になっていることはありません」(TXCOM 芹澤さま)

これらの取り組みにより、最も大きく変わったのは社内の意識だ、と今田さまは語ります。同社の上層部も含め、「データを活用する」という意志が社内全体で統一され始めてきているといいます。

今後は「データの質の向上」や「機械学習」にも取り組む

両社の取り組みは現在も続いている。今後も様々な施策でデータ活用の幅を広げていく予定です。その中から2つをご紹介します。

データの質の向上

以前データの分析中に、深夜の男性ウケするようなバラエティ番組で30代女性の視聴が一番多いという結果が出たことがありました。意外な結果なので分析を進めてみると、実は使用した外部データに30代女性が多く、突合したデータ自体に偏りがあると分かりました。ウェイトバックでデータを補正したところ、20代男性が多いという結果になりました。

このエピソードから分かるのは、データ自体に間違いはなくてもデータの特性や偏りまで考慮しないとミスリードした結果になってしまうということ。データの質を上げると共に、データの読み方の質、つまり分析担当者のスキルも上げなければなりません。

機械学習を用いた属性予測や在庫予測

IDFA(iOS端末の広告識別子)の仕様変更やGoogleによるサードパーティcookieの規制により、データの突合に使用するIDが取得しにくくなってきています。今後は社内のデータと外部データを突合できない状況が発生する可能性があります。

TXCOMではそれに備えて、正解データを基にしてデータを拡張する機械学習にも取り組んでいます。これまでの視聴者データから学習し、番組視聴履歴から視聴者の属性を推定するモデルを構築します。

※標の数値はダミーとなります。

この他に、機械学習による広告在庫の予測モデルの作成にも取り組んでいます。imp保証型の広告販売ではオーバーimpにならないよう抑えて販売せざるを得ないが、広告在庫の予測ができれば実際の在庫に近しい形で販売が可能になります。

これらを実用化するには、機械学習モデルの精度向上が不可欠です。「色々なモデルを試す中で、最適な成果率の高いモデルを作成することができそう」(TXCOM 芹澤さま)。

最後に:デジタルメディアの運営にはデータ活用が必須

テレビ局だけではなく、いわゆるトラディショナルメディアと言われる従来型のメディア企業ではデジタル化が遅れていました。しかし自社が抱えている課題を直視し、変わろうとする企業も出てきています。TXCOMもそのうちの一社です。

「テレビ業界はデジタル業界と比較して、斜陽産業という印象を持たれがちだが、デジタルやマーケティング、データ分析の観点で手をつけられていないことが多いだけで、保有するコンテンツの豊富さ、制作能力の高さなど強力なアセットを持っています。見せ方や改善次第では圧倒的存在感を示すことができるのではないか。メディア企業として今後ますますデータの活用は必須となっていきます」(TXCOM 今田さま)

 

<事例紹介>

和歌山県白浜町 様
1ヶ月で町の混雑状況の可視化を実現!データ活用による地域貢献を見据えた、自治体の取り組み

サッポロビール株式会社 様
サッポロビールがデータドリブンで挑む「顧客理解の取り組みとは?」

ホーユー株式会社 様
マーケティングにおけるデータ活用の大きな支援に

株式会社WOWOWコミュニケーションズ 様
自社でのデータ分析・可視化が実現!新たな施策が可能に

キャノンマーケティングジャパン株式会社 様
データを活用した“一気通貫”のマーケティング施策が実現

 

1ヶ月で町の混雑状況の可視化を実現!データ活用による地域貢献を見据えた、自治体の取り組み

【導入事例・インタビュー】

和歌山県白浜町様

白浜町では、災害時に使える耐災害ネットワークを構築し、インフラとして維持していくための取り組みの中で、平時のインフラ活用の効果検証を行うためのデータ収集に関する課題を抱えていました。
Leoglissをパートナーとして実証実験に至るまでの経緯や取り組みの効果、そして今後のデータ活用について、取り組みを担当したLegoliss シニアプロジェクトマネージャーの島野繁弘(写真右)が白浜町の総務課企画政策係 主任 鳴尾豪さん(写真左)にお話を伺いました。

震災をきっかけに、耐災害ネットワークの実証実験をスタート

真っ白な砂浜が広がる白良浜に、パンダを間近で見ることができるアドベンチャーワールド、そして日本三古湯に数えられる白浜温泉など、観光地として人気の高い和歌山県白浜町。空港が隣接しておりアクセスが良いため多くの観光客が訪れるほか、「ワーケーション」という言葉が一般的になる前からIT企業の誘致に力を入れており、ITオフィス等の施設整備やワーケーション環境のPRを進め、今では多くのIT企業がオフィスを構えています。

白浜町では東日本大震災を契機に、災害時でも途切れない‟耐災害ネットワーク”の構築に注力し、2015年に国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と共同で「南紀白浜で世界初の耐災害ネットワーク実証実験」を開始しました。耐災害ネットワークとは、災害時に住民や観光客の安否確認を行ったり、避難所情報を提供したりするためのネットワークで、東日本大震災時に情報通信ネットワークに被害や障害が発生したことを受け、各自治体への導入に関心が高まっています。

しかしながら、災害時のみ活躍するネットワークとなると、導入・維持にかかるコストの観点から早急な導入を行うことは難しい状況です。この度の実証実験では、耐災害ネットワークの普及促進を目指し、平時にも活用できるモデルの検証として、観光客やワーケーションで訪れた方などがフリーWi-Fiとして利用できる環境を整えました。現状、耐災害ネットワークの平時利用において、自治体のモデルケースとなるような取り組みは進んでいないため、この実証実験を通して、防災減災と地域振興の両面で有用なモデルが確立できるよう期待されています。

地域振興に活かすためのデータを収集し、町の可視化を実現

2015年に開始した実証実験において、平時のフリーWi-Fiとしての活用の有用性を示すことはできたものの、コスト面に課題がありました。フリーWi-Fiのみの利用であれば、一般的なネットワークを導入する方がコストははるかに安く済むためです。しかし、そうなれば防災減災という当初の目的からは外れてしまいます。そこで、コストに対するパフォーマンスを向上させ、防災減災と地域振興の両面で有用性を発揮するために、平時にもネットワークが自発的に運用される仕組みを作り、フリーWi-Fiとしても使えて、なおかつ地域に有益な付加価値を与える利用方法を検討。地元企業や進出企業、また住民の利活用をより具体化するためのさらなる実証実験として、地域のデータを自動収集し、収集したデータを企業や住民が利活用できるようにするためのプラットフォームの構築に取り組むことにしました。

プラットフォーム構築において、Leoglissが開発されたマルチクラウド対応のカスタマイズ型CDP「kukuLu(ククル)」を採用した最大の理由は、短期間で構築し、データを可視化することが可能な点です。地域の企業や住民にデータを利活用してもらうためには、収集したデータを可視化し、具体的にどのような利活用ができるのかを検討しやすくする必要がありました。この要望に答えてくれたのが「kukuLu」です。
「kukuLu」は容易に構築することができ、さらに短期間でのデータの可視化を実現してくれました。

データを民間活用することで、地域への還元を目指す

実証実験では、町内の人が集まる場所や観光地にカメラを設置し、「どこに、何時に、何人いたか」というデータの可視化を行いました。動画のままではデータ量が大きく、個人情報の問題などもあるため、AIを活用し‟人”を検出して人数を認識し、ミニマイズしたデータを収集し可視化しています。現時点では、この収集したデータに天候気象データのみ関連付けています。あくまで、‟こういうことができるのではないか?”という気づきを与えるための実証実験という位置づけです。

この実証実験での気づきからデータの具体的な活用方法を考えることが、これからの課題です。現在、スマートシティ・スーパーシティ構想に関する様々な取り組みが各地で行われていますが、自治体でインフラを整えて、民間で活用し自走できるようにすることが重要だと考えています。白浜町の住人や訪れる方にとって有益なものを提供できるかを第一に考え、これからも新たな取り組みを行っていきます。

Legolissのサポートで、短期間での構築・可視化が実現

最後に、Legolissの魅力はどこですか?と尋ねてみると…

今回、1ヶ月というとても短い期間でプラットフォームを容易に構築することができ、データの可視化を行えたことは、白浜町にとって大きなメリットでした。今後はデータ活用において、‟誰もが等しく使いやすいデータにしなければならない”など、行政ならではの課題が多数出てくると考えています。「kukuLu」の特徴である「データの取り込み・加工の自由度の高さ」を活かし、地域にとって有益なデータ活用が行えるよう、今後もLegolissのサポートに期待しています。

 

<事例紹介>

サッポロビール株式会社 様
サッポロビールがデータドリブンで挑む「顧客理解の取り組みとは?」

ホーユー株式会社 様
マーケティングにおけるデータ活用の大きな支援に

株式会社WOWOWコミュニケーションズ 様
自社でのデータ分析・可視化が実現!新たな施策が可能に

キャノンマーケティングジャパン株式会社 様
データを活用した“一気通貫”のマーケティング施策が実現

ケーススタディで学ぶ「失敗しないCDPデータ活用」 ~よくある失敗例と回避方法~

データ基盤としてCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を導入し、顧客データの統合に取り組む企業が増えています。一方で、これから取り組む企業は、自社でもCDPがスムーズに構築できるのか、不安なこともあるのではないでしょうか。

これまでCDPによるデータ活用に取り組んだ企業は、どんなところでつまずいたのか、また、どうすればそれを防げたのか。ケーススタディで学ぶことで多くの失敗は事前に回避できます。

データマーケティングを主軸にデータ活用のコンサル、CDP/データ基盤の構築、データ分析等のサービスを提供している中で、多く見てきたCDP構築の際によくある失敗とその回避方法についてご紹介します。

■CDPとは何か? 基礎知識
■一般的なCDP構築の流れ
■CDP構築に失敗しないためには?~よくある失敗とその対策~
■CDP構築で失敗しないために重要なのは「構築を始める前」
■スモールスタート可能なCDPサービス「kukuLu」
■おわりに:適切な対策でリスクは大幅に軽減できる

 

CDPとは何か? 基礎知識

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、企業が取り扱う顧客に関するデータを統合し、一括管理するプラットフォームです。

企業がさまざまな場所に分散して保有しているデータや、外部各所から仕入れたデータを集め、CDPに取り込みます。集めたデータをCDPで統合、集計・整形し、BIツール、MAツール、レコメンドツールなど各種ツールに連携することでマーケティング施策に活用できます。

BIツールやMAツール内に簡易CDPのようにデータを蓄積できるものもありますが、それ以外のツールも併用している場合、都度データを同期させる必要が出てきてしまいます。集計もツールごとに行う必要が生まれ、結果として各ツールにデータが分散してしまいます。

つまり将来的な展開も考慮すると、施策実行ツールの一歩手前でデータを統合するCDPを導入し、そこから各ツールにデータを連携する方が効率的であり、その後の施策の幅も広がると言えます。

一般的なCDP構築の流れ

CDP構築の流れを8ステップに分けてご紹介します。

1.要件定義

まずは、要件定義でインとアウト、すなわち、取込データと出力データの形式を定義するのが重要です。

CDPに取り込むデータがどのようなシステムからどのような形式で入ってくるのか(取込データ)、どのようなツールに対してどのような形式のデータを渡したいのか(出力データ)を決め、DBを構築します。今後誰がCDPを運用するのかという権限設定もここで決めておくと後がスムーズになります。

 

2.基本設計

CDPは基本的に「データの取込 → 集計 → 出力データをツールに連携」というデイリーバッチ(日次処理)で動かしていくことになります。その流れを決めるのが基本設計です。ここまでが設計フェーズとなります。

 

3.データ取込

設計が完了し、ここから実装フェーズに入ります。本番データを実際にDBに入れ、データの中身を見ながら仕様書と合っているかを確認する作業です。使用するデータは過去データでも最新のマスターテーブルでも構いません。

サンプルデータや仕様書と実データの仕様が違っていることもよくあるので、早いタイミングで本番データをチェックしておくのが重要なポイントです。

 

4.前処理

データの形式を整え、扱いやすいきれいな状態にしていく処理です。データクレンジングとも呼ばれます。

 

5.集計処理

最終的に出力したいデータを作るための集計ロジックを設計し、テストと調整をくり返しながらロジックを固めていきます。

 

6.データ出力

集計ロジックが出来上がったら、連携先のツールやシステムに対して出力データを渡すテストを行い、出力先で確認します。

 

7.総合テスト・リリース

全体のテストを行い、リリースします。

 

8.運用・保守

リリースが完了したら、実際の運用が始まります。Legolissではスキルトランスファー(ノウハウの引継ぎ)や障害対応、データ分析のサポートも行っています。

 

このような一通りのCDP構築の流れには、短くても6~7カ月は期間を見ておきます。同時に、CDPからデータを連携するツール側の準備も必要となります。

 

CDP構築に失敗しないためには?~よくある失敗とその対策~

ここからはCDP構築時に実際にあった失敗談と、同様の失敗を防ぐにはどうしたらよいかを5つのパターンに分けて紹介します。

いずれも構築スケジュールやリリース後の運用に影響しかねない失敗ですが、対策方法を知り適切な対応をすることで防ぐことができます。必要なのは、事前のちょっとした確認や手配です。

 

よくある失敗1:インターフェイス定義書や検証用データがなかなか用意されない

CDP構築の流れの最初のステップ「要件定義」を進めるには、取り込むデータのインターフェイス定義書や検証用のデータが必要です。構築開始時にこれらが用意されていないと構築を始めることすらできず、スケジュール遅延の原因になります。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDP構築プロジェクトの開始前、つまり検討段階のうちに、準備すべきものやそれを誰が準備するかのタスクを明確にしておきましょう。それにかかる工数や予算も考えて計画に組み込んでおくとよいです。

特に大手企業になればなるほど、システムを管理するベンダーが複数入ることもあり構造が複雑になります。各種ドキュメントをどこが管理しているのかを予め把握し、手配しておくのが重要です。

 

よくある失敗2:取込んだデータが仕様書と全然ちがった

実はよくあるトラブルです。取込設計や集計ロジックの設計の段階でこれが発覚すると、設計がやり直しになってしまいます。

具体例としては「仕様書ではNot null(必ずデータが入っている)となっているのにnullのデータがある」「取り込みエラーになる値が入っている」「紐づけのキーとなるカラムのはずなのに紐づかないデータがある」などがあります。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

仕様書と実データは違うものだという前提で、しっかり事前にチェックをすることが非常に重要となります。データ処理の設計に入る前までに実データを入手し、チェックしてから設計に入るべきです。

 

よくある失敗3:個人情報の取り扱いルールを決めていなかった

CDPの中に個人情報を入れて良いか否かは企業のポリシーに従うところになります。ポリシーの内容や取込の可否について事前確認を怠ると、確認作業のために途中でプロジェクトが止まってしまう場合があります。その結果、スケジュールが遅延します。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDPの構築開始前に、セキュリティ部門と相談しながら個人情報取り扱いのルールを決めておきます。取り込みNGの場合でもCDP側での対処の方法は色々あるので、どの処理を行うかも決めておくと後々の進行がスムーズです。

 

よくある失敗4:データを統合したが、施策に活用されていない

これ以降は、CDPを構築後に運用に入ってからよくある失敗です。

データをどう活用していくか見えていないままプロジェクトを進め、CDPを構築しただけで息切れしてしまうパターンは多いです。CDPはデータを統合することだけが目的ではないです。統合したデータをどうマーケティングに活用するかが肝であり、力を発揮できるところです。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDP構築を検討する段階で、少なくとも向こう3年間ほどの運用に関して

・どのようなマーケティング施策のために構築するのか
・誰(どの部門)が何のツールを使ってどのように施策を行うのか
・それにかかるコスト、工数

を明確にし、計画を立てておくべきです。

 

よくある失敗5:運用担当者が辞めてしまって仕様が分からない

運用開始から時が経ち、当初の担当者が異動したり辞めてしまったりする場合もよくあります。その後取込データや集計ロジックに変更や追加が発生した際、どこをどう修正すればよいかわからず「どうなっているのかわからないので助けてください」と相談が持ち込まれることもよくあります。

失敗を防ぐにはどうすればよい?

CDP構築の際にしっかりと運用ルールを決め、各種の仕様書を作成しておけば属人化を防ぐことができます。あとは担当者が変わってもこのドキュメントをきちんと引き継いでいきます。

作成する仕様書の例:

・データ取込→取込データ定義書、ワークフロー仕様書
・データ集計→データマート定義書、集計設計書、ワークフロー仕様書

 

CDP構築で失敗しないために重要なのは「構築を始める前」

ここまでの失敗談を踏まえると、CDP構築で失敗しないために重要なフェーズは「CDP構築を始める前」です。

構築プロジェクトが始まる前、プロジェクト検討フェーズのうちに上記のポイントをしっかりと考え決めておくことで、これらのよくある失敗を未然に防ぐことができます。これからCDPの構築を検討する皆さまには是非とも参考にしていただきたいです。

スモールスタート可能なCDPサービス「kukuLu」

数多くのCDP構築・運用のサポートをしてきたLegolissは、その経験を活かして作った自社のCDPサービスも提供しています。それが「kukuLu(ククル)」です。

スモールスタート可能な価格帯でありながら、データ戦略の実践に必要な機能とサポートを一通り備えています。「CDPを活用できるかわからないが、試しに使ってみたい」「全社ではなく、一部の部署の一部の施策から少しずつ始めてみたい」という企業には特におすすめです。

 

おわりに:適切な対策でリスクは大幅に軽減できる

CDP構築で失敗しないためには、構築を始める前の検討段階が非常に大事だ。逆に言えば、検討段階でしっかり要件を決めておけば失敗のリスクを大幅に軽減できます。

自社がどのようにデータ活用を進めていきたいのか慎重に見極めながら、CDP構築に取り組んでいただきたいです。

 

サッポロビールがデータドリブンで挑む「顧客理解」の取り組みとは?

 

サッポロビール株式会社 様

消費者行動の変化や、気候変動、COVID-19といった不確実な環境への変化を背景に、データドリブンなマーケティングにより、「信頼できるブランド」を構築しようとしているサッポロビール株式会社(以下、サッポロビール)。そのために重要だと考えているのが、「顧客理解」すなわち「ファン度の可視化」です。

今回、サッポロビール株式会社 コミュニケーション開発部 マーケティングリサーチグループ アシスタントマネージャーの堀内 亜依さまと、株式会社UNCOVER TRUTH 代表取締役 石川 敬三さまとトレジャーデータが提供するカスタマーデータプラットフォーム「 Treasure Data CDP」を活用したお取り組みについて対談をさせていただきました。

<話し手>
サッポロビール株式会社
コミュニケーション開発部マーケティングリサーチグループ アシスタントマネージャー
堀内 亜依さま

株式会社UNCOVER TRUTH
代表取締役
石川 敬三さま

<聞き手>
株式会社Legoliss
データソリューション事業部 事業部長
小林 範子

顧客一人ひとりを深く理解するために導入したCDP

「これまでは購買で重視される点として「広告で見た」「店頭で目立つ」「価格が安い」ということがあったと思うのですが今は「自分に合っている」ですとか「共感・信頼ができる」にシフトしてきている」(サッポロビール 堀内氏)。

ビールはマスプロダクトではあるが、マスなアプローチだけでは消費者の支持を得られなくなっていると感じていた。そのため、顧客一人ひとりの価値観やオケージョンに応じた訴求を行うなど「One to One」的なアプローチが必要だと考えたという。

また外部環境の変化として、従来の知見が通用しにくい不確実性が増してきている。たとえばビールの販売は天候に左右されやすく、昨今は気候変動の幅も大きくなってきている上に、COVID-19のような劇的な変化も起こりうる。そういった環境変化に対応していくためにも、データドリブンなマーケティング基盤が必要だったのだ。

そこで、同社はパートナーとしてUNCOVER TRUTH株式会社(以下、UNCOVER TRUTH)と株式会社Legoliss(以下、Legoliss)の支援を得て、Treasure Data CDPを導入。顧客理解、One to Oneでの施策の実行、そして顧客との相互コミュニケーションを通じたファン化の促進に取り組んでいる。

最も重視するのは顧客理解だ。

 

「我々はBtoBtoCのビジネスですので、最終消費者であるお客様と直接のつながりがあまりありません。そういったつながりがないので理解が不足していました。CDPをはじめとしたテクノロジーを活用して、最終消費者のお客様と直接つながり、そして理解を深めていきたいのです」(堀内氏)

堀内氏によると、CDPをはじめとするテクノロジーを活用することで目指したのは、顧客と直接つながり、理解することで、One to Oneマーケティングを実現し、ファンを増やすことだ。顧客に寄り添ったコミュニケーションを行うことが、相互コミュニケーションとなり、ファン化が促進される。

 

「顧客データがない」から「データを作り育てる」アプローチへ

有用な購買データや行動データが残りにくいため、リサーチデータで情報を補足することになるが、それにも限界を感じていたという。理由としては、「聞かれて答えることと自分が無意識で行動することとの間にはギャップがある」と堀内氏は話す。例えば、「どのビールが好きですか?」と聞かれて「一番好きなビールはエビスビール」と答えた人が実際に購入したものを調べると、ビールではなく新ジャンルの他社製品だったことがあるという。リサーチに限界があることを示した格好だ。 

そのため、同社は顧客を理解するために、むしろ「データを作り育てる」アプローチをとったのだ。データの受け皿として必要になったのがCDPだ。

 

Treasure Data CDPでファン度を可視化し、分析に活用

サッポロビールにはエンジニアがいないため、Treasure Data CDPが備える豊富なコネクタは大きな利点だったという。また、共通キーの存在も大きいと語る。導入を担当したUNCOVER TRUTHの石川氏も、「共通キーがあることで、正確に可視化できるデータが取得でき、大きなメリット」と語る。

 

 

サッポロCDPにおいて、今最も注力しているのは 「ブランドエンゲージ別ランク構築」(※図のNo.5)だ。ブランドごとのファン度を可視化し、分析に活用しているという。

ブランドエンゲージ別ランクが可視化できるようになったことは非常に大きな一歩であると堀内氏は語る。ロイヤリティの高い顧客がどの程度存在し、どんな行動をしているのか、ロイヤリティが高くない顧客とどの程度の差があるのかが見えるようになったのだ。

また、「データを作り育てる」アプローチの結果、会員のオンライン上での行動量が増えたこともわかった。こうして有用なデータが集まりはじめ、データドリブンに顧客に価値を提供していくための準備が整いつつあると堀内氏は語る。さらに、直接的な効果ではないものの、CDPで統合したデータから見えてきたことを可視化して、情報発信を積み重ねた結果、社内における取り組みへの理解も加速しているという。

 

「顧客を可視化したい」という思いに応えるパートナーを選択

Treasure Data CDPを選択した理由に加えて、堀内氏はパートナーを選んだ理由も述べた。それは、UNCOVER TRUTHは「コンバージョンよりも、まずは顧客を可視化したい」というサッポロビールの思いを理解していた点だ。

「わが社には有用なデータがほとんどありませんでした。また、ビールは数百円の商品であるため、購入の際に企業ホームページで商品を比較検討する人もあまりいません。そのため、CDPで先行しているEC企業や自動車メーカー、金融商材などのパターンは通用しないと考えました。それを前提に、何をKPIとするのかを理解してもらえるパートナーを探していました」(堀内氏)

最終的には、CDP運用後の世界をサッポロビール社内で検討したところ、「広告よりはCRMに力を入れたい」という点で合意した。つまり方向性としては、顧客を理解し、関係を構築し、コンテンツマーケティングにも力を入れるということだ。そこで「こうした分野に強みを持つUNCOVER TRUTHをパートナーとして選択しました」と堀内氏は述べている。

また、開発パートナーとしてのLegolissに関しては、目的を意識して、提案からしっかり行ってくれる点や、開発のスケジュールの前後など、要因をしっかりと提示して進めてくれるため安心感も大きいと述べた。

 

これから導入する人に伝えたいこと「データ収集は1日でも早く」

CDPの導入のスタート当初に「苦しかったこと」としてあげたのは、自社内に使えるデータがほとんどなかったことだ。

「例えばITの観点から収集したデータは、マーケティングにはあまり使えないものでした。一方、マーケティングや販促部門では、データの収集や蓄積にコストがかかるため、キャンペーンの応募で得たデータなども捨てていたのです。データへの意識が低かったためで、思想や戦略が必要だと実感しました。
1st Partyデータは企業にとっての資産です。正しく使えるデータを蓄積するには、Treasure Data CDPのようなハード面での環境を整えることと、全社で意識を調整するといったソフト面での環境を整えることの両方の取り組みが必要だと感じています」(堀内氏)

石川氏も、導入の際にサッポロビールが持っていたデータを見て驚いたと明かす。会員データには100以上の項目があったものの、ほとんどデータは入っておらず、使えるデータは一桁という状況だったという。

「CDPの導入を検討している企業は、まず自社のデータを調べてみてください。データはあると思っていても、捨てていたり、使えなかったりというケースが意外と多いものです」と石川氏。
堀内氏も、「1日でも早くデータ収集してください」と述べた。

また、メーカーであるためコンバージョンがないところでの分析の難しさを石川氏は挙げた。明確な意思表示となる行動や、購入のデータがあれば、アトリビューションを分析することで、CRMにおける最適なタイミングでのオファーを導き出すことはできる。しかしそれらのデータが全く無かったため、顧客を定義することから行う必要があった。

「顧客が誰なのか、その顧客がいくらお金を使ってくれて、何杯飲んでいるのかというのが全くわからないがゆえに、CDPを活用して可視化するというところが、非常に大きなポイントになりました」(石川氏)

その結果できあがったのが、ブランドエンゲージメントランクだ。そこで定義したユーザーのセグメントに対して、どういうオファーを行えばよりファンになってくれるのかが、データドリブンできるようになるのではないかと石川氏は述べた。

 

CDP導入を検討する企業が押さえるべき3つのポイント

最後に、数多くのCDP導入プロジェクトを成功に導いてきたLegolissの小林が押さえるべきポイントを紹介した。

1つ目に挙げたのは、「アウトプットを明確にする」ということだ。アウトプットが曖昧な状態でプロジェクトがスタートするというケースは非常に多いというが、データを統合することは目的ではなく手段である。料理のプロセスのように、どんな料理を作って、どういう状態を作りたいのかといったゴールを設けて、そのためには何の食材と調味料を使い、どのような調理方法をとるのかを検討する必要がある。CDPも料理と同様だ。プロジェクトの最初の段階で、要件をきちんと定義して、そのためにはどんなデータが必要か。今どんなデータを持っているのか、無いのかを把握しなくてはならない。

 

 

そして、2つ目は、「CDPは魔法の箱ではない ことを理解する」という点だ。MAやAIといったテクノロジーも、導入すれば万事OKではない。実際にサイロ化したデータを統合するということは、非常に手間がかかる。統合が進むにつれて、施策の検討や実行は行いやすくなるとはいえ、CDPを導入すれば勝手に統合されるものではない。統合したうえで、顧客を深く理解し、顧客体験を変えていく、選ばれるサービス・プロダクトを作るという強い意志が必要なのは言うまでもない。

 

 

最後に3つ目のポイントは、組織の「横の連携」だ。マーケティング部門、システム部門、情報セキュリティ部門の連携がマストだ。CDPプロジェクトは、マーケティング部門が主導するケースと、システム部門が主導するケースがあるという。どちらが主導した場合でも、横の連携は欠かせないと小林は述べる。

CDPは顧客データを統合するための基盤であり、個人情報の取り扱いに関するエキスパートである情報セキュリティ部門とも強力な関係を築く必要がある。CDPに個人情報を保管するのかどうかといった話を、プロジェクトが開始する前に方針として固めておくことが大事だと説明した。

 

 

CDP導入プロジェクトの初期構築はスタートの第一歩目であり、初期構築の段階で完璧な基盤を構築しようとすると、ゴールが見えにくくなり息切れをお越してしまうことにもなりかねない。全体のゴールを見据えて、細かくフェーズ分けを行い、今あるデータを統合、可視化し、それを活用して施策を実行するといった一連の流れを、小さくてよいので始めることが重要だと小林は語った。

 

データドリブンを全社に浸透させる第一歩がスタート

CDPの初期構築が完了したサッポロビールでは、顧客を理解しようと全力を尽くしている段階だ。そして、これはCDPで統合したデータを全社的に活用していくための第一歩であると考えている。そのためにも小さな成功事例を積み重ね、社内を巻き込んでいくと堀内氏は述べる。ゴールはCDPチームだけでは作れない。ゴールはブランドにあり、ブランドがどうデータをインフラとして活用していくか、そしてその先に信頼できるブランドと顧客の関係を構築していくかがこれからの肝となる。
サッポロビールの挑戦はまさに始まったばかりだ。

 

<事例紹介>

ホーユー株式会社 様
マーケティングにおけるデータ活用の大きな支援に

株式会社WOWOWコミュニケーションズ 様
自社でのデータ分析・可視化が実現!新たな施策が可能に

キャノンマーケティングジャパン株式会社 様
データを活用した“一気通貫”のマーケティング施策が実現

 

マーケティングにおけるデータ活用の大きな支援に

 

ホーユー株式会社 様

1905年創業、ヘアカラーを中心とする頭皮化粧品の専業メーカーであるホーユー株式会社様とのお取り組みは、2020年にスタートしました。DMPを構築される以前のデータ活用に対する課題や構築後のLegolissとのお取り組み、今後のデータ活用についてまで、ホーユー株式会社コンシューマー事業本部 商品企画室 デジタル開発課の石井芳行さんと苅籠毅さんにお話しを伺いました。

DMPの構築スタート…新たな課題にぶつかる

当社では2019年まで、「CIELO(シエロ)」や「Bigen(ビゲン)」、「Beautylabo(ビューティラボ)」などのホームカラーリング剤をはじめとする商品別の広告や販売のデータ、また自社サイトに訪れているユーザーのデータを一括で管理するシステムやそのシステムを管理する体制が整っていませんでした。
当社では長年にわたり、TVCMに代表されるマス主体のコミュニケーションに重きをおいてきた経緯があり、商品を売ること以外での「顧客への寄り添い」のような、広い意味でのマーケティングができていなかったことが私達にとっての課題でもありました。そのため、まずはデータをしっかり見ていく、蓄積したデータをマーケティングに活かしていくことを目指して、2019年の10月にDMPの構築を完了させました。ただ、この時点では「“箱”は作ったけれど活用することができていない」という状態ですので、構築完了すると同時に、DMPのデータを可視化するための仕組みを整備することとしました。つまり、次の課題として、ダッシュボード開発を行う必要があるわけですが、当社のリソース上、内製することは容易ではないですし、活動の速度を落としたくなかった為、その部分はアウトソースすることとしました。

パートナーに選んだ決め手は、提案力と“寄り添い方”

実は今回の取引が始まる2年ほど前に、人づてにLegolissをご紹介いただいた経緯があり、当時からデータを活用したマーケティングの仕組みづくりについてご相談させていただいていました。当時は正式な取引としてご相談していたわけではなかったのですが、真摯に様々なアドバイスや情報を頂けまして、機会があればお仕事としてお願いできればと思っていましたところ、ちょうどDMP構築が完了し、いよいよデータの活用を始める際のパートナーを探す際にお声掛けさせていただきました。
そんな真摯な “寄り添い方”が Legolissをパートナーに選んだ理由です。

ダッシュボードで顧客の動向を「見える化」

Legolissとのお取り組みで作成したダッシュボードは、当社の希望を尊重して作っていただいたものでした。「こういった目的でダッシュボードを作りたいです」と、当社の意見をベースに作ったダッシュボードだったのですが「もっとこうしたほうが良いのでは?」「こんなデータは入れなくていいんですか?」など、Legolissの提案を盛り込みながら、ブラッシュアップしていただきました。分析にしても、ダッシュボードの見せ方ひとつにしても、常にホーユーの立場に立って、同じ目線で作成いただいた点が本当良かったです。
現在は作成したダッシュボードを私達のデジタル開発課内のみで活用していますが、これらの活用を通じてダッシュボードを更に改善し、ゆくゆくは社内での共有や、活用の場を拡げていくことを考えています。週一回の定例でも、普段のやり取りでも、どんなリクエストにも即時にレスポンスをいただき、ご対応いただけるので、スピード感を持って取り組みが進んでいます。
また現在は「どんなデータがたまっているか」という顧客分析のダッシュボードなどもリアルタイムで即時反映できるようになりましたし、外部データの連携も進めていますので顧客の行動や興味関心が更に「見える化」できる見込みです。当社のデータ活用が一歩一歩進んでおり、価値ある取り組みだと思っています。

信頼が持てる提案力ときめ細やかなサポート

最後に、Legolissの魅力はどこですか?と尋ねてみると…

当社からの相談事に対してのご提案力やきめ細やかなサポートで、柔軟性に魅力を感じています。私たちは、“データ”や“ダッシュボード”などに関してはまだまだノウハウが不足していますので、同じ目線でご提案していただけること、またご相談できることが我々の活動の支えや後押しになっています。


自社でのデータの分析・可視化が実現!新たな施策が可能に

株式会社WOWOWコミュニケーションズ様

現在、自社のCDP(Customer Data Platform)導入をし、全社的にデータドリブンな意思決定を推進している株式会社WOWOWコミュニケーションズ様とのお取り組みは、2014年にスタートしました。当時抱えていた課題やLegolissとどのような取り組みを進めてきたか、株式会社WOWOWコミュニケーションズ マーケティング部マーケティング課の横関彩さんにお話を伺いました。

デジタルシフトに注力し、プライベートDMPの構築をスタート

株式会社WOWOWは、日本国内での有料放送を事業の中心としている企業です。その子会社として、1998年にWOWOWコミュニケーションズが設立され、コールセンター事業をスタートさせました。その後、WOWOWは2014年にデジタルシフトに注⼒し、2020年までに総合エンターテインメント企業になるための中長期計画「ビジョン2020」を発表しました。この計画では、有料放送だけでなくWebサービスの展開やリアルサービスを開発する、といった目標を掲げました。そして「従来の有料放送の会員ではないユーザーとどのように接触していくべきか?」を考え、チャネル横断的に会員情報を把握するために、まずはプライベートDMPの構築を始めました。

CDPの導入から構築、ニーズに合ったサポート

その後、2016年頃にはWOWOWではプライベートDMPの構築が完了し、顧客データを統合管理できる基盤が整った状態になりました。その後、プライベートDMPによる会員管理だけでなく、会員以外のユーザーまで領域を広めた分析が必要だと考えArm Treasure Data CDP(以下:Treasure Data)を導入しました。それまではAWS(Amazon Web Service)の構築をコンサル会社にお願いしていましたが、現場で寄り添って一緒に考えてもらえ、さらにTreasure Dataの導入にあたる仕組みを作るインプリメントやマーケティングの上でもサポートしてもらえる、この両方ができる企業を探していたところLegolissに出会いました。パートナーとしてお取り組みがスタートした当初、代表の酒井さんがWOWOWに半常駐してくださり、会社の言葉の定義や加入や解約の状況、さらに経営課題までも吸収してくださり、WOWOWのニーズにしっかりと向き合ってサポートをしてくれました。

戦略や施策、組織体制の構築も“二人三脚”で

Legolissとのお取り組みの一番の成果は、Treasure DataをWOWOWにフィットする形に構築してもらえたことです。Treasure Dataはツールを入れただけでは何もできません。テーブルの構造を考え、データをどうやってリフレッシュしていくかをしっかりと機能にあった形に作らないといけない。さらに導入した当時はSQLを書ける人間が、WOWOWグループ全体に1人も在籍していませんでした。そこで全面的にサポートしてくれたのがLegolissです。タグの設置やテーブルの設計、ダッシュボードの作成など、広告施策にデータを活用できる状況を整えていただきました。とは言え、何かが起こった時に社内で誰も対応できないというわけにはいかないので、自社でもSQLを書ける人材を採用し、Legolissの社員の方に一からトレーニングしていただきながら、スキルの吸収をさせていただきました。そんな手厚いサポートにより、現在は自社で分析やTableauによるデータの可視化ができるようになり、大きな戦略や施策の実行がより可能になりました。またWOWOWとして抱えている経営課題などに対する分析の目線付けや進め方もサポートしていただいています。新たな視点をもらいながら、課題の解決から次の課題に向けた施策、全社的にデータを経営に生かしていく体制の構築まで、まさに二人三脚でプロジェクトを進められています。信頼できるパートナーであるLegolissとの新たなお取り組みによって、今後さらにWOWOWグループとしての売り上げに貢献していきたいです。

データ活用におけるスキルや知見を吸収できるパートナー

最後に、Legolissの魅力はどこですか?と尋ねてみると…

データ活用の仕組みに対しての取り組みをサポートしていただきながら、かつマーケターの目線を持ちながら効果計測やそれに基づく施策の展開を一緒に考えてもらえるところがLegolissの大きな魅力です。WOWOWとしてもWOWOWコミュニケーションズとしてもLegolissから色々なスキルや知見を吸収させてもらいながら“自走”することができています。



データを活用した“一気通貫”のマーケティング施策が実現

キヤノンマーケティングジャパン株式会社様

多くの企業がデータ構築や分析の必要性を感じ、どのようにデータを活用していくかという課題を抱えています。そんな中、Legolissが一緒にお取り組みをさせていただいたキヤノノンマーケティングジャパン株式会社様もまた、当初データ活用に関して大きな課題を持っていました。お取り組みスタート以前に社内で抱えていた課題やLegolissをパートナーに選んだ理由まで、デジタルマーケティング・EC企画センターEC企画部 BtoC・EC企画課の因幡拓哉さんにお話しを伺いました。

費用対効果の可視化を目的としたデータ活用をスタート

当社は2014年にデジタル化によるお客様のライフスタイルや購買行動の急激な変化にビジネスを対応させるべく、社内にデジタルマーケティングを推進する専門部門を立ち上げて取り組んでいます。私は、デジタルカメラや家庭用プリンターなど、BtoC向けの製品のプロモーション領域では欠かせなくなっているwebサイトやデジタル広告などを中心としたデジタルマーケティング施策を担当しました。当初、従来のマス広告施策のアプローチから抜け出せていない課題がありました。具体的には、一担当者の経験や感覚でメディア選定や予算決めを行っている状況であり、「戦略的に届けたいお客様へ製品の認知を広げられているか」「費用対効果は最大化できているか」という課題に直面していました。またもうひとつ抱えていた課題は、「広告代理店に依存したプランニング」を行っていたこと。それにより社内に知見が溜まらず、ノウハウが全て外部に流出しているという状況でした。そこで、費用対効果を可視化するためにはどうするべきかを社内でしっかりと考え、デジタル広告施策の一部を担っていただいていた酒井代表に相談し、まずデータ構築のための環境を整え、データをしっかりと使える人材を育成し、プランニングできる体制を作る、という取り組みをスタートさせました。

「顧客の見える化」が実現し、意思決定がスムーズに

Legolissをパートナーに選んだ最も大きな理由は、システムとマーケティングの両方の知見を持ち、データ活用に関して信頼できるところでした。私が、マーケティング課題や社内に抱えている課題などのいわゆるビジネス全体にわたる課題について幾つか伝えると、芯をとらえたリアクションを必ずしてくれ、対応策を提示してくれます。前段でもお話ししたように、大手広告代理店にお願いするという選択枠はなく、フラットな立場にいるLegolissにパートナーとしてサポートしてもらいたいという思いがありました。この取り組みで、それまで可視化できていなかった費用対効果をArmTreasure Data CDP(以下:Treasure Data)やTableauで可視化させることが実現できました。

弊社は、量販店様のもつオフラインのチャネルを通じてデジタルカメラや家庭用プリンターを販売するビジネスモデルのため、デジタル広告のCTRやCPAなど媒体側の指標は見ていましたが、広告に接触したけど実際に商品を購入したかまでは追いかけられていませんでした。Treasure Dataを使い、広告のデータと我々が持っていた会員データを繋ぎ合わせる環境をLegolissに構築してもらい、媒体Aと媒体Bと媒体Cのどれがお客様へ最も届き購入に繋がったのかを可視化することができしました。それによってマーケティングの費用対効果も改善でき、社内の様々な意思決定にも役立ちました。

Legolissは「パートナーに深く寄り添ってくれる、貴重な存在」

最後に、Legolissの魅力はどこですか?と訪ねてみると…

Legolissの魅力を一言でいうと、データ構築から分析、広告を使ったマーケティングまでをまさに“一気通貫”でできるところです。 構築とマーケティングのプランニングを両方できる、これはなかなかいない貴重な存在です。当初は構築のために毎日のように担当者に通ってもらい、データの整理からダッシュボードの作成までタイトなスケジュールで進めていきました。そして、Treasure Dataの設計、作成したダッシュボードをベースに3rd party dataを繋げて広告配信まで、深く寄り添ってもらいながら取り組みました。そんなLegolissのサポートにより、デジタルマーケティングの活動がしっかり行えるようになり、データへの社内意識も変わりました。